コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第75回
南海キャンディーズの山里亮太が、5月17日にアバコクリエイティブスタジオで行われた、映画『パワーレンジャー』の公開アフレコに出席した。
本作は、日本の特撮シリーズ「スーパー戦隊」の英語ローカライズ版として、1993年から全米で放映がスタートした人気テレビシリーズを、総制作費120億円をかけハリウッドで映画化した超大作で、この中で山里は、パワーレンジャーをサポートするおしゃべりなロボット【アルファ5】の吹き替えを担当している。
その独特な声質を生かし様々なところで“声優”として活躍している山里だが、報道陣を前にこの日行われた公開アフレコでは、実写吹き替え初体験の【ジェイソン・スコット/レッド・レンジャー】役の勝地涼と、声優初挑戦の【キンバリー・ハート/ピンク・レンジャー】役の広瀬アリスに対し先輩風を吹かそうと意気込んでいたものの、ブース内にいた音響監督から「セリフに気持ちがこもってないですね」「セリフを置きにいかないでください」「上手くやろうとしなくていいです。上手くないんですから」など手厳しく指導され、「本番よりも良い!」と評価された勝地と広瀬に笑われる始末だった。
山里自身も「声優の先輩として「2人は良い仕事でしたよぉ」っていうセリフを用意してたんですが、まさかの僕が一番下手でした(笑)」と苦笑い。「やっぱり役者は引き出しの数が凄いです。僕は小箱が一つあるだけですから」と、改めて2人に敬意を表していた。
さらに追い討ちをかけるように、山里の不幸は続く。
3月にロサンゼルスで行われたワールドプレミアに参加した勝地と広瀬。その時のことについて勝地が「『パワーレンジャー』という作品は広い世代に愛されてるんだなぁって実感しました」と語れば、広瀬も「(戦隊モノは)日本だと子どもが観ることが多いと思うんですが、『パワーレンジャー』は男性女性問わず、20~30代の方も観てくれているので嬉しかったです」と喜びをあらわにしていた。しかし、山里は「ハリウッドに行ったの今知りました・・・」と、悲しげな表情を浮かべていたのだった。
ちなみに、山里は役作りの準備として、色々な声優に連絡し話を聞こうと思っていたそうなのだが誰も繋がらず、唯一連絡が取れたのが、『ドラゴンボール』のベジータのモノマネでお馴染みのピン芸人・R藤本で、一言「大きく頑張れ!!」とアドバイスされたことも明かしていた。
映画『パワーレンジャー』(東映配給)
映画『パワーレンジャー』(東映配給)は、日本の「スーパー戦隊」シリーズを英語版ローカライズしたテレビドラマを、最新の映像技術を用いてリブートし映画化したアクション超大作。