コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第69回
『仮面ライダードライブ』で、小さいお友達から大きなお友達まで幅広い支持を集め、今では二枚目だけでなく三枚目キャラも難なくこなし、若い女性たちからも大人気となっている俳優の竹内涼真が、5月3日に丸の内ピカデリー1で行われた、映画『ラストコップ THE MOVIE』の初日舞台挨拶に登壇した。
本作で竹内は、藤木直人演じる神奈川県警本部の参事官【松浦聡】警視正の忠実なる部下であり、窪田正孝演じる【望月亮太】巡査部長とは同期の【若山省吾】警部を演じ、エリート街道をひた走るイケメン刑事として順調に“事”を進めていたが、唐沢寿明演じる主人公の【京極浩介】巡査部長や【亮太】らと交流していくうちに、そのキャラがどんどんと崩壊、想いを寄せる交通課の【三島菜々子】巡査(桜井日奈子)からは「キモ山さん」の愛称で呼ばれるほどに。
そんなキャラクターの変遷について、竹内は「僕も松浦さんみたいに行く予定だったんですが、台本を読んでこれは試されているなと、自分を解放するチャンスだなと思い、唐沢さんや窪田君も『やっていいよ』と言ってくれたので、どんどん自分を解放していきました。自分は解放型なんだなと思いました」と、三枚目キャラの【若山省吾】に手応えを感じている様子だった。
それに対し、唐沢は「途中から入ってきた竹内君なんて、こんな隠し玉があるとは思いませんでしたね」と、竹内の面白キャラにある種の嫉妬を覚え、「いずれ潰すからな本当に」と宣戦布告していたのだった。
“いずれ”と言えば、神奈川県警本部長の【神野晴彦】警視監を演じた小日向文世は「撮影は楽しかったですね。フィナーレと銘打ってますけど、そんな感じはしませんね。またタイムマシンで戻ってきたりすれば延々とできますよね。映画が当たれば何度でもできると思います」と、いずれまた戻ってくることを示唆していた。
また、壇上では、キャスト・スタッフが書いた寄せ書きが、窪田から唐沢へ贈呈されたほか、サプライズとして、今度は唐沢から窪田へ、新品自前の【京極】が着用していたものと同じスタジャンがプレゼントされた。 「ちょっとパッツンパッツンですけど、伸びていったら馴染むと思います(笑)」と、照れながらも喜びをあらわにしていた窪田だった。
さらに、本作は、映画業界初の試みであり、エンドロール終了後も楽しめる企画として、10種類の「サプライズ・マルチエンディング」を用意。5月3日の公開初日から3週間限定で、週替わりで上映される。 この日は特別に、全パターンのエンディングがスクリーンで上映され、その都度、客席からは拍手と笑いが巻き起こっていた。
「サプライズ・マルチエンディング」10種類の詳細は下記の通り。 [亮太・六つ子 編] [亮太老人&太った結衣 編] [加奈子人違い 編] [永遠のKBD 編] [孤高の松浦老人 編] [謎のホームレス 編] [結衣の京極化 編] [相変わらずの刑事課 編] [若山&菜々子入れ替わり 編] [神野&清美・映画監督 編]
最後に、唐沢は「この映画は、おじいちゃんおばあちゃんから小さい子どもまで、大笑いしてちょっと泣けるエンタテインメントの王道です。ゴールデンウィークはまだ続きますので、何度でもお友達を誘って観に来てください!」と、いずれまた戻ってくるために作品を猛アピールしていたのであった。
なお、舞台挨拶にはその他、出演の佐々木希、藤木直人、和久井映見、黒川智花、松尾諭、桜井日奈子、武田玲奈、伊藤沙莉、田山涼成、宮川一朗太、猪股隆一監督が登壇した。
映画『ラストコップ THE MOVIE』(松竹配給)
映画『ラストコップ THE MOVIE』(松竹配給)は、昏睡状態から目覚めた時代錯誤な昭和の熱血刑事と、平成生まれの草食系な若手刑事の凸凹コンビが事件を解決していく姿を描いた、人気テレビドラマの劇場版。
公式サイト http://lastcop-movie.jp/