Mar 13, 2017 news

悔しさをバネに新たなるスタートラインへ
広瀬すずは努力することを忘れない

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第46回

『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』の初日舞台挨拶が3月11日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。 舞台挨拶には、河合勇人監督、出演の広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、天海祐希のほか、MCも担当したTKOの木下隆行が登壇した。

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「努力することを忘れちゃいけない」

非常に印象的だった、広瀬すずの言葉。

本作『チア☆ダン』では、とびっきりの笑顔と、“応援したい”という想いに満ち溢れた元気少女【友永ひかり】を演じている広瀬。 映画のモデルとなった福井県立福井商業高等学校バトン部、通称「JETS」が先日、全米チアダンス選手権大会で5連覇という偉業を成し遂げたことについて、「前の日は眠れなくて、朝その話を聞いた時は涙しました」と、我が事のように喜んでいた。

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2月に行われた完成披露試写会の舞台挨拶では、「JETSの皆さんと同じ熱量や温度で、ひかりとして生きられるか不安でした」と吐露していた広瀬だが、公開初日を迎えたこの日は実に晴れやかな表情を浮かべていた。

また、3月の頭に高校を卒業した広瀬。 「もう学生じゃなくなるので、新しいスタートラインに立った感じです」と、未知なる世界へと一歩足を踏み出すと、「私は学校の中で、大好きな人たちが待ってくれている場所があったので、すごく支えられていました。でも、これからはそれがなくなるので、今まで以上に頑張らないといけないなと思っています」と、決意を新たにしていた広瀬だった。

そして、今回演じた【友永ひかり】という役柄を通して、「ひかりちゃんという女の子は、チームや周りの人たちのことを思いながら、自分も努力しているという姿が印象的でした。「頑張ろう!」と発することは、誰かのためにとても力になるんですが、同時に、自分が努力するのも忘れちゃいけないんだということを改めて思いました」と語っていた。

先日授賞式が開催された、「第40回日本アカデミー賞」では、主演女優賞(『ちはやふる -上の句-』)と、助演女優賞(『怒り』)のダブル受賞を果たした広瀬だが、残念ながらともに、“最優秀”には手が届かなかった。

最優秀主演女優賞は、『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえが、最優秀助演女優賞は、同作の杉咲花がそれぞれ受賞した。

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今までの広瀬なら、素直に受賞者を褒め称える気持ちがあっただろうが、今回は違った。

『ちはやふる』では、「初めて自分から共演者たちと、こうしたいとか、ああしたいとか言って、監督がOKを出してくれても、もう1回やってもいいですか? とお願いしたりしました」とコメントし、本人は特に意識はしてなかったらしいが、映画初主演を務めたことへの自覚と責任を感じていたようだった。

『怒り』では、「泉(役名の【小宮山泉】)とともに戦ってきたことは、私の財産になりました。一番苦労したところは、監督との戦いでした(笑)」と、“妥協を許さず厳しい”と評判の、李相日監督の現場でもがき苦しんでいた様子で、同じ[沖縄編]で共演した森山未來も「目だけはキラキラしてましたが、すずちゃんがどんどんクシャクシャになっていって、巨人の李さんを見上げている姿しか印象がありません(笑)」と、日々追い詰められ、そして成長していく広瀬の姿を近くで見守っていたことを明かしていた。

だからこそ、授賞式で「今までにない悔しいという感情が生まれました」と語った広瀬の言葉には、何か伝わってくるものがあったのだ。

広瀬すずは良い役者である。 今回は、宮沢りえにも杉咲花にも勝てなかったかもしれない。 しかし、女優としてさらなる高みを目指すならば、決して努力することを忘れてはいけない。

諦めたらそこで試合終了なのだから。

映画『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』

映画『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(東宝配給)は、福井県立福井商業高等学校チアリーダー部が、全米チアダンス選手権大会で優勝するという快挙を成し遂げた実話を基にした、青春ミラクルエンタテインメント作品。

監督:河合勇人
脚本:林民夫
出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり菜、健太郎、南乃彩希、陽月華、木下隆行(TKO)、安藤玉恵、緋田康人、きたろう、天海祐希 ほか

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。