Nov 29, 2016 news

ミス・ストイック女優・広瀬すず その成長ぶり、まさにちはやぶる

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第15回

『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』のスペシャルダンスタイムイベントが11月20日、東京体育館メインアリーナで行われた。 イベントには、全日本チアダンス選手権大会開催に伴い、サプライズとして、劇中で「チーム JETS」のメンバーを演じる広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥の5人が登場した。

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「体も硬いし、スタートが見えなかった」

そう語るのは、広瀬すず。 本作『チア☆ダン』では、チアダンスチーム「JETS」のメンバーである、主人公の【友永ひかり】を演じている。

チアダンスの世界を実際に目をしたのは、撮影の半年前くらいだったようで、最初は前屈もままならないほどに体が硬く、これで大丈夫なのかと不安に思っていたそうだが、「みんながいるから頑張れました」と、晴れやかな表情を見せていた。

また、この日は、全日本チアダンス選手権大会が開催されており、そこへ広瀬ら「JETS」のメンバー5人がお邪魔する形となったが、彼女たちが会場に現れると割れんばかりの歓声が。特に、広瀬への歓声は一際大きく、改めてその人気ぶりを窺うことができた。

ステージでは、たくさんのキッズダンサーたちとダンスを披露した広瀬。「楽しい〜!! こんなに大勢で踊ることがないから余計に楽しかったです!」と、喜びを爆発させていたのだった。

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爆発と言えば、広瀬すずの爆発的な成長ぶりには目を見張るものがある。

【女優・広瀬すず】の名が広く知れ渡るきっかけとなったのは、やはり、是枝裕和監督作品『海街diary』への大抜擢だろう。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆という、日本映画界を牽引する人気若手女優たちに混じり、四姉妹の末っ子として、彼女たちの“妹”を好演した。

是枝監督によると、広瀬の自然体な演技を引き出すために、あえて台本は渡さず、その場その場でセリフを伝えていくという手法がとられたそうだ。 広瀬もそれを望んでいたという。

広瀬すず。その時まだ16歳であった。

そして、映画単独初主演を務めたのが『ちはやふる』だ。 本作は、[上の句]と[下の句]の二部作で製作されたが、[上の句]の初日舞台挨拶では「ここにいるみんなとの出会いは、大人になっても大きなものだなと、撮影中ずっと感じていました」と、生涯の友と呼べるような出会いに感謝していた広瀬。一方、[下の句]の初日舞台挨拶では「台本を頂いて、初めて自分から「ああしたい」とか「こうしたい」とかを監督に伝えることができた作品でした」と語るなど、女優としての自覚が段々と芽生えてきた様子だった。

そんな元気印の広瀬だが、根は人見知りだそうで、『ちはやふる』の小泉徳宏監督は、「広瀬さんに最初に会った時は、声が小さくてボソボソしゃべる女の子でした。主役として見誤ったかなぁと一瞬思ったんですが、【綾瀬千早】のようにバンッ! と弾けた芝居をした時は、本物の女優だ! これは来たなと思いました」と、ダイヤモンドの原石を発見した時の喜びを語っていた。

と、ここまで広瀬の著しい成長ぶりを示してきたが、まだまだあどけない女の子の一面も併せ持っており、『ちはやふる』の続編製作が発表された時には、舞台上で一瞬放心状態に陥り、「もう分かんないっ! 夢じゃないよね?」と、最後まで号泣していた姿も見られた。

しかし、広瀬すずの成長のグラフは右肩上がり。

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広瀬のストイックぶりが窺えたのが、山﨑賢人とのダブル主演で臨んだ『四月は君の嘘』だ。

この作品で広瀬は、天真爛漫なバイオリニストを演じているが、バイオリンはゼロからのスタートだったようで、撮影現場に入ってからオールアップするまで、毎日練習に次ぐ練習の日々だったそうだ。 これだけ聞くと、ただの“頑張り屋さん”止まりだが、広瀬のストイックなところは、その姿を他人には見せないということだ。

共演の石井杏奈が「裏を見せないんです。すずがバイオリンをすごく練習しているっていうのも、周りのスタッフさんから聞いたくらいです」と明かすと、同じく、新城毅彦監督も「すずちゃんは完璧主義者で、いくらやっても納得せず、撮影の合間にマッサージを受けたりしながら、腕が上がらなくなるほど練習してましたね」と、そのストイックさに舌を巻いていた。

広瀬すず。まだ18歳である。

この2年間での成長スピードは、まさに、ちはやぶる(千早振る/勢いが激しいこと)の如しで、世に出始めの頃の可愛らしい女の子から、今ではキリッとした女性らしい表情となり、本格的な女優としての顔つきに変わってきた感がある。

ちなみに、『チア☆ダン』のイベントを終え、会場から引き上げる際、広瀬が着ていたTシャツの裏には、こう書いてあった。

絶対アメリカ行ってやるでの!!

まさかこれは、【女優・広瀬すず】のハリウッド進出を示唆する言葉だったりして。

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まぁ兎にも角にも、これからの広瀬すずの活躍には大いに期待していきたい。

次は、姉の広瀬アリスにもスポットを当ててみたいと思います。

映画『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(東宝配給)

映画『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(東宝配給)は、福井県立福井商業高等学校チアリーダー部が、全米チアダンス選手権大会で優勝するという快挙を成し遂げた実話を基にした、青春ミラクルエンタテインメント作品。

監督:河合勇人 脚本:林民夫 出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり菜、健太郎、南乃彩希、陽月華、木下隆行(TKO)、安藤玉恵、緋田康人、きたろう、天海祐希 ほか

http://cheerdance-movie.jp/

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。