Nov 24, 2016

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天然と養殖の違いとは?綾瀬はるかの究極の癒しパワー

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第14回

『海賊とよばれた男』の完成披露試写会舞台挨拶が11月14日、東京国際フォーラム ホールAで行われた。
舞台挨拶には、山崎貴監督、出演の岡田准一、吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、野間口徹、ピエール瀧、綾瀬はるか、堤真一、國村隼、小林薫が登壇した。

 

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「みんなの喜びようといったらありゃしない」

現在までに400万部を超える大ベストセラーとなっている、人気作家・百田尚樹氏の小説『海賊とよばれた男』を、VFXの申し子・山崎貴監督が、主演の岡田准一を迎えて映画化した本作。

映画の中で岡田は、出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしていると言われる、主人公【国岡鐡造】の若かりし頃から90代までを一人で演じている。いや、熱演していると言った方がいい。

店員は家族、店員は子どもと可愛がり、理想のリーダー像として描かれている【国岡鐡造】は、自身の名を冠した「国岡商店」の店主として、多数の“子どもたち”を抱えているわけだが、そんな子どもたちの一人、【武知甲太郎】役を務めた鈴木亮平は、岡田の役作りについて「60歳の頃を演じている時は、立ち方だったり声の出し方だったり、近くで見ても本当に60代の人にしか見えなかったです」と、舌を巻き、同じく「国岡商店」店員の【甲賀治作】役を務めた小林薫も「彼は変わっていて、何事に関しても追求の仕方が違うんです」と、そのストイックさに脱帽といった様子を見せていた。

岡田自身も「現場では『熱が足りんのよ、熱が!』を合言葉に、みんなで熱を持って挑んでました」と、劇中に登場する熱いセリフを胸に、みんなで一致団結して取り組んでいたことを明かしていた。

そんな熱すぎる男たちの現場は、まさに“炎”という一文字がピッタリだが、熱が入りすぎオーバーヒートしそうな男たちの気持ちを鎮静化させる、“癒しの水”となり得ていたのが、【国岡鐡造】の妻【ユキ】を演じた、綾瀬はるかの存在であった。

 

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「綾瀬さんが現場に来ている時のみんなの喜びようといったらありゃしない(笑)」と、岡田が語れば、「国岡商店」の店員【東雲忠司】役の吉岡秀隆も「綾瀬さんが現場にいらっしゃると、おじさんたちは浮き足立ってました(笑)」と、告白。さらには「ある日、リンスとコンディショナーの違いについておじさんたちで盛り上がってたんですが、綾瀬さんに聞いたら『リンスはあっさり、コンディショナーはこってりです』とおっしゃった時は、おじさんたちはみんなキュンとして、恋に落ちました(笑)」と、ついニンマリしてしまうような心温まるエピソードを語ってくれた。
小林薫に至っては、ずっと綾瀬の横を陣取っていたらしい。

何故これほどまでに、綾瀬はるかは愛されるのか。そこには何か他の人にはない秘密があるはず。

「笑顔が可愛い」「笑顔に癒される」「行動が可笑しい」「発言が面白い」

人に愛される理由というものにはたくさんの要素があるが、綾瀬はるかの一番の魅力は、それらの仕草を“天然”で魅せてくれることだ。

相手に好かれようと、故意に可愛い笑顔を作ったり、故意に面白い発言をしたりする。それ自体は別に非難すべきことではないが、ある種のそれは作り物であり、いわゆる“養殖”の行為なのだ。

対して、綾瀬はるかの場合は、不意に可愛い笑顔を見せたり、不意に面白い発言をしたり、不意に可笑しい行動をしたりする。誰も予測がつかないそれは、いわゆる“天然”の行為なのだ。

 

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【天然】と【養殖】の行為の違い。
【養殖】は、自分が作り上げた“実”を相手方に提供する「発信型」の行為であり、【天然】は、自然に出来上がっている“実”を相手方が摘み取る「受信型」の行為である。

現に、今回の舞台挨拶でも、綾瀬本人の口からではなく、共演者の口から綾瀬の面白エピソードや癒しのエピソードが次から次へと出てくること、出てくること。綾瀬の魅力を夢中で語る男たちの姿が愛おしかった。

ただ、今までのそういった綾瀬の【天然】行為が、実は全て【養殖】のものであったとしたら、考えただけでも怖ろしいが、もしそうだったとしたら、本物の、いや、天然の名女優である。

まぁ、そんなことはないだろうけど・・・。

今後も、<天然とよばれた女・綾瀬はるか>の一挙手一投足を見逃さずに取材していきたい。

 

映画『海賊とよばれた男』(東宝配給)

映画『海賊とよばれた男』(東宝配給)は、出光興産創業者の出光佐三氏をモデルに描き、2013年度本屋大賞で第1位を獲得した、百田尚樹による同名ベストセラー小説を実写映画化した作品。

監督・脚本:山崎貴
出演:岡田准一、吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、野間口徹、ピエール瀧、須田邦裕、飯田基祐、小林隆、矢島健一、浅野和之、綾瀬はるか、黒木華、光石研、堤真一、近藤正臣、國村隼、小林薫 ほか

12月10日(土)より、全国東宝系公開。

http://kaizoku-movie.jp/