コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第7回
『CUTIE HONEY -TEARS-』の初日舞台挨拶が10月1日、新宿バルト9で行われた。舞台挨拶には、原作者の永井豪氏、出演の西内まりや、三浦貴大、石田ニコル、永瀬匡、今井れんが登壇した。
“お色気”を封印した 新版「キューティーハニー」
「これからも続けていきたいです」 女優業に邁進していくことを新たに決意した、西内まりや。
本作『CUTIE HONEY -TEARS-』で、長編映画初主演を務めた西内は、「キューティーハニー」という作品の偉大さに、「とても人気のある大きな作品で、ファンの方もたくさんいらっしゃるので、原作とは全然違うストーリーを受け入れてもらえるか心配です」と、不安を吐露していたが、地元・福岡の父親が映画を観て、『ありがとう。感動した』というメールを送ってきてくれたことに触れ、「こういうふうに、作品を通して伝えられるのは素敵ですよね。これからも続けていきたいです」と語っていたのが、先ほどの言葉。
舞台挨拶が行われたこの日は、キューティーハニーの衣装ではなく、オシャレでセクシーな洋服を身に纏って登場した西内。前のボタンを留めておらずガラ空き状態だったため、彼女が動くたびに、むき出しの胸元とお腹が見えたり、見えなかったり。集まったカメラマンたちも、「見せたいのか、見せたくないのか、ハッキリしてほしい」と、終始ヤキモキしっ放しだった。
本編の方でも、「キューティーハニー」の魅力の一つ、いや、最大の要素と言ってもいい【お色気】を封印しているという。 西内まりやは一体、何を見せたいのか。
何でもこなせるマルチタレント 女優・西内まりやの今後
見せ方と言えば。
今回、アクションにも初挑戦したという西内は、小学3年生から中学2年生までバドミントンをやっており、福岡市内の大会では4度の優勝歴を誇るツワモノである。 そんな抜群の運動神経が生きてか、「アクションって攻めるよりも受け身というか、やられる側の方が大変なんだなということが分かりました」と、アクションの何たるかを素早く吸収していた様子も窺えた。
また、運動神経だけではなく、バドミントンで鍛えた? 引き締まったボディを活かしてモデルとしても活躍するほか、歌手としてCDをリリースし、本作の主題歌も担当している。
そんな何でもこなせてしまう西内だからこそ、下手をすると器用貧乏にもなりかねない。 これからも女優を“続けていく”ためには、何を見せていくのか、その辺をハッキリさせていった方がイイと思われる。
ちなみに、「この間、地元の福岡に帰って、美味しいとんこつラーメンを頂いたんですが、店を出る時に「また来るけんっ!」って言って、サングラスを掛けながらカッコつけていたら、口に違和感を感じたんです。見たら、アゴに大きいネギが付いてました(笑)。前にもあったので2連続です(笑)。なかなか克服できないですねぇ。可愛いと思ってもらえたら嬉しいです(笑)」と、自分をキュートに見せる“見せ方”は知っているようだった。
なお、その後壇上には、原作者の永井豪氏が登場し、「原作とは全く違う作品ですが、いちファンとしてとても楽しめました。本当に面白かったです」と、“客観的”な視点で感想を述べると、永井氏自身も本作に出演しているそうで、寒い日の撮影では、寒そうな格好をしている西内に対して、監督から『なるべくイヤらしい目で見てください』と指示されたことを明かすと、「工夫して頑張りました(笑)」と、照れ笑いを浮かべる永井氏の姿がそこにはあった。
映画『CUTIE HONEY -TEARS-』(東映配給)
映画『CUTIE HONEY -TEARS-』(東映配給)は、永井豪原作の名作アニメ「キューティーハニー」を、異常気象や未知のウイルスの蔓延で人類が激減した近未来を舞台に、新たに実写映画化した作品。
監督:A.T.、ヒグチリョウ 脚本:中澤圭規、田中靖彦 出演:西内まりや、三浦貴大、石田ニコル、高岡奏輔、永瀬匡、今井れん、エリック・ジェイコブセン、深柄比菜、仁科貴、倉野章子、笹野高史、岩城滉一 ほか