Jun 16, 2023 news

世界的再評価の機運が高まるドイツの映画作家 代表作を含む3作品一挙公開 ウルリケ・オッティンガー「ベルリン三部作」

A A
SHARE

ドイツの映画作家、ウルリケ・オッティンガーの、代表作『アル中女の肖像』を含む3作品を一挙公開する、ウルリケ・オッティンガー「ベルリン三部作」の予告映像とポスタービジュアルが公開された。

「ニュー・ジャーマン・シネマ」の時代から精力的に作品を発表しながら、日本では紹介される機会が少なかったドイツの映画作家ウルリケ・オッティンガー。2020年にベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ(功労賞)を受賞し、2021、2022年にはウィーンやベルリンの映画博物館などヨーロッパを中心に、大規模なレトロスペクティブが開催されるなど、世界的に再評価の機運が高まっている。

今夏、そんなオッティンガー作品の「ベルリン三部作」と呼ばれる『アル中女の肖像』(1979)、『フリーク・オルランド』(1981)、『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』(1984)が一挙公開される。『アル中女の肖像』と『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』は日本の劇場では初めてのロードショー、『フリーク・オルランド』は29年ぶりの劇場公開となる。

『アル中女の肖像』はオッティンガー監督の最高傑作との呼び声が高いにも関わらずデジタルレストアがなされるまで見る機会が少なかった作品。映画監督リチャード・リンクレーターは本作を最愛の1本にあげて「何度も見たい、元気になる映画」と語る。そして、同時代に活躍し、本作の撮影現場を訪れていた映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーは「最も美しいドイツ映画」の1本として『アル中の女の肖像』を選出。

ドイツ在住の小説家・詩人の多和田葉子はベルリン国際映画祭での功労賞受賞式で次のように祝辞を述べた。「ダンテは『神曲(神聖喜劇)』を、バルザックは『人間喜劇』を書きました。オッティンガーの映画は、「人間と神々の喜劇」と呼べるのではないでしょうか?」。

フェミニズム映画やクィア映画の文脈で論じられるなど、従来の様々な規範を揺るがす先進性が再評価されているオッティンガー作品。生々しい知性と豊かで鋭い感性を備える3つの作品が、製作から40年余りの時を超えて、ついに映画館のスクリーンで堪能できる。

ウルリケ・オッティンガー「ベルリン三部作」は、2023年8月19日(土) 渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー。

イベント情報
ウルリケ・オッティンガー「ベルリン三部作」

【上映作品】
『アル中女の肖像』(1979)
『フリーク・オルランド』(1981)
『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』(1984)

配給:プンクテ 

Bildnis einer Trinkerin, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger
Freak Orlando, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger
Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger

2023年8月19日(土) 渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー

公式サイト punkte00.com/ottinger-berlin/