侯孝賢(ホウ・シャオシェン)プロデュース、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・シャオ・ヤーチュエン監督による台湾・日本合作映画、映画『オールド・フォックス 11歳の選択』が日本公開される。この度、本作の本予告映像、本ポスター、そして、日本から参加した門脇麦と、監督からのコメントが公開された。
『悲情城市』でヴェネツィア国際映画祭グランプリ、『黒衣の刺客』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞、昨年10月に引退を発表した侯孝賢がプロデュースに名を連ねる本作は、侯孝賢監督作品の助監督を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・シャオ・ヤーチュエン監督による感動のヒューマンドラマ。
侯孝賢はこれまでのシャオ・ヤーチュエン監督作全てのプロデュースを務めてきたが、本作が最後のプロデュース作となる。
昨年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映された本作は、2023年の第60回台北金馬映画祭で監督賞、最優秀助演男優賞(アキオ・チェン)、最優秀映画音楽賞、衣装デザイン賞の4冠を達成。
主演のリャオジエには『Mr.Long ミスター・ロン』などで日本でも知られている日台のダブルで、台湾では神童と呼ばれる天才子役バイ・ルンイン。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』のリウ・グァンティンがW主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じる。
リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役には、台湾の名脇役アキオ・チェン。シャの秘書役に『怪怪怪怪物!』のユージェニー・リウ。そして、日本からは門脇麦が出演。門脇は、経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイを演じ、本作で初の台湾映画出演を果たす。
【コメント】
▼門脇麦
台湾映画でしか感じられない色彩や湿度、空気感がどうしたって強烈に昔から好きで、これまで沢山の台湾の作品に触れてきました。台湾映画に出演できるなんて信じられない!と夢心地で現場に向かい、スクリーンに映る自分を観ても、やっぱり信じられない!と夢心地で、幸福すぎる時間を過ごさせていただきました。その場にただ居さえすれば全てが成立する現場の空気、監督の言葉以上に何かが伝わる眼差し、今思い出しただけでも胸が震えるような、そんな経験をしました。日本での公開、とても嬉しいです。1人でも多くの方にこの作品が届きますように。
▼シャオ・ヤーチュエン(監督)
他人を思いやることですべての社会問題が解決できると思うほど、私も単純ではありません。しかし思いやりがなければ、社会的な格差と矛盾は拡がっていくことでしょう。では現代社会に向き合い、私は父親として、思いやりが人間としての基本であることを、子供にどう説明したものでしょうか?『オールド・フォックス』このストーリーは、私が子供から十年以上も受け続けた問いが発端となっています。かつて私は両親から価値観を与えられました。しかし世界は変わっていきます。私自身にも新たな学びが必要です。それによって私は自分の子供たちに、変わっても良いもの、変えてはいけないものが何なのかを、伝えられるのではないでしょうか。
映画『オールド・フォックス 11歳の選択』は、2024年6月14日(金)より全国公開。
台北郊外に父と2人で暮らすリャオジエは、コツコツと倹約しながら、いつか、自分たちの家と店を手に入れることを夢見ている。ある日リャオジエは“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主・シャと出会う。優しくて誠実な父とは真逆で、生き抜くためには他人なんか関係ないと言い放つシャ。バブルでどんどん不動産の価格が高騰し、父子の夢が遠のいていくのを目の当たりにして、リャオジエの心は揺らぎ始める。図らずも、人生の選択を迫られたリャオジエが選び取った道とは。
監督:シャオ・ヤーチュエン
プロデューサー:ホウ・シャオシェン、リン・イーシン、小坂史子
出演:バイ・ルンイン、リウ・グァンティン、アキオ・チェン、ユージェニー・リウ、門脇麦
配給:東映ビデオ
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2024年6月14日(金) 新宿武蔵野館ほか全国公開
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