世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、漫画・アニメのクリエイターを数多く輩出してきた“アニメーション首都”新潟にて行われる新潟国際アニメーション映画祭。今年が開催3回目となる、本映画祭のオープニングイベントが3月15日、新潟市民プラザで開催された。
オープニングイベントはフェスティバル・ディレクターを務める井上伸一郎氏の開会宣言からはじまり、「世界の注目が集まっていることを実感している」「コンペティションの審査にあたり、今年は特にいろんな国から参加をいただいた」「レベルの高い作品が多い」と語った。

鈴木康之新潟県副知事の挨拶のあと、コンペティション部門の審査員が登壇。キャラクター開発やコマ撮りアニメーションを手がけるドワーフのプロデューサーである審査員・松本紀子氏は「この映画祭は作品を出し、見てもらうものだと思っていたのに、今回は審査員として参加させていただけることが本当に光栄です。映画祭というのは人が来て出会いがあるのが素晴らしいところ。ぜひみなさんも作品に出会い、人にも出会って素晴らしい時を過ごしていただければ」と挨拶。同じくアニメーション作家でもあり教育者でもある審査員・クリスティン・パヌシュカ氏は「みなさまの素晴らしい作品という贈り物を届けてくださってありがとうございます。そして、このアニメ業界に参加されて間もないみなさん、ようこそ。アニメ業界というのは他に比べるものがない、非常に特別な素晴らしい業界だと思っています」と、フィルムメーカーのみならず、若い才能発掘を目的とした”アニメーション・キャンプ”の参加者へも激励を送った。


今回のコンペ審査員長を務める映画プロデューサーでセビリア・ヨーロッパ映画祭ディレクターも務めるマニュエル・クリストバル氏は「アニメーションが好きな方は日本のアニメーションが好きになる、日本のアニメーションが好きになることは日本を好きになること。ここに集まるフィルムメーカーのみなさん、学生のみなさん、素晴らしい巨匠もいらっしゃいます。私がここに参加できたのは大使館そして映画祭のご協力あってのこと。お招きいただきありがとうございます」と感謝を述べた。

その後、大川博賞・蕗谷虹児賞が発表。優れたアニメ制作スタジオに贈られる大川博賞がシンエイ動画に、優れたアニメ技術スタッフに贈られる蕗谷虹児賞は『ルックバック』作画の押山清高氏、井上俊之氏、音響監督の木村絵理子氏、そして『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』音楽の林ゆうき氏に贈られた。


続いて、オープニング上映作品『イノセンス』の4Kリストア版の上映に先立ち、本作監督の押井守氏からのビデオメッセージの上映とプロダクションI.G会長でプロデューサーの石川光久氏と井上伸一郎氏のトークセッションを実施。

コンペティション上映以外にも、オールナイト上映やイベント上映などが行われる、今年のレトロスペクティブは2010年に46歳の若さで逝去した今敏監督特集として様々な作品が上映される。第3回 新潟国際アニメーション映画祭は3月20日まで開催。

アニメーションやマンガ関連に従事する人々を約3,000名以上排出している、日本有数のアニメ都市、新潟。世界に向けてアニメーションやマンガという日本特有の文化を発信していく拠点となる新潟が、世界のアニメーション作品が交差する文化と産業のハブとして発展していくことを目指す、アジア最大規模のアニメーション映画祭。
主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
会期:2025年3月15日(土)~20日(木・祝)
公式サイト niaff