Sep 21, 2022 news

「斬新で驚いた!」香川照之主演 記憶をなくした男の“主人公ではない人生” 映画『宮松と山下』

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『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督や、『ドライブ・マイ・カー』(21)の濱口竜介監督など、名だたる映画監督たちの登竜門ともいえ、今年で70回目を迎え歴史の深いサンセバスチャン国際映画祭のNew Directors部門に本作で正式招待された監督集団「5月」。過去に2本の短編映画をカンヌ国際映画祭に送り出しているが、サンセバスチャン国際映画祭は今回が初めての招待。

数多くの名作CMや教育番組「ピタゴラスイッチ」を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太郎の3人の監督が20日に行われたワールドプレミア上映に参加した。

New Directors部門のメイン会場であるKursaal2は600席完売の満席。宮松が異なる役を演じるごとに場内では笑いや驚きの声が上がる。エンドクレジット中から拍手喝采が沸き上がり、監督たちが立ち上がって応えるという感動的な光景に。上映終了後再び起こった拍手喝采とスタンディングオベーションに迎えられて監督たちのQ&Aが始まると、3人の監督たちの役割分担や、主人公をエキストラ俳優にした理由など、客席からの質問は途切れない。

上映後の映画祭公式レセプションでは、映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノスが監督たちに駆け寄り、「とても斬新で驚いた! サンセバスチャンでワールドプレミア上映できてとても嬉しい」と賛辞を語った。上映終了後は街を歩いていても、「素晴らしかった!」と声をかけられるなど、『宮松と山下』のワールドプレミアは大好評となった。

【5月(ごがつ) コメント】

『宮松と山下』が、初めて、この世の中に披露されました。サンセバスチャンの劇場を埋め尽くした600もの眼差しが、この映画を体験しました。上映中の『宮松と山下』は、いたるところで、観客におおっと声を挙げさせるほど驚かす一方で、私たち監督でさえ思いもよらぬところで笑いを生んでいました。そして主人公・宮松を演じる香川照之さんの存在感と演技は、世界の方に、とんでもない俳優が日本にいることを知らしめました。
上映終了後の観客との対話では、いつまでも質問が止まず、その興味の高さに嬉しくなりました。私たちが世界に問う映画作りは、この映画から始まります。そう決意を新たにした上映でした。

作品情報
映画『宮松と山下』

宮松はエキストラ俳優。ある日は時代劇で弓矢に打たれ、ある日は大勢のヤクザのひとりとして路上で撃たれ、またある日はヒットマンの凶弾に倒れ‥‥来る日も来る日も死に続けている。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。なにも思い出せない中、彼は毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続けるのだった‥‥。

監督・脚本・編集:関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦

出演:香川照之、津田寛治、尾美としのり、野波麻帆、大鶴義丹、尾上寛之、諏訪太郎、黒田大輔、中越典子

配給:ビターズ・エンド

©2022『宮松と山下』製作委員会

2022年11月18日(金) 新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、シネスイッチ銀座ほか全国公開

公式サイト bitters.co.jp/miyamatsu_yamashita