第76回カンヌ国際映画祭に出品され、第96回アカデミー賞国際長編映画賞では、シンガポール代表となった注目作、映画『国境ナイトクルージング』。この度、本作の特報映像、ティザービジュアルが公開された。
舞台は、文化が混じりあい、至るところに漢字とハングルが混在している、中国と朝鮮半島の国境にある町、延吉。そこで男女3人が偶然出会い、冬の延吉をぶらぶらと観光することで起こる心の変化を、煌めく映像美と叙情的音楽で綴る。それぞれの事情で孤独と葛藤を抱え、やり場のない寂しさに閉じ込められていた彼らだったが、磁石のように引き寄せられ、数日間を気ままに過ごす。深入りせずに、この瞬間をひたすら楽しむ、それが暗黙のルール。過去も未来も忘れ、一緒にいるだけで凍り付いた心はほどけていく。
監督を務めたのは、『イロイロ ぬくもりの記憶』で、第66回カンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したシンガポール出身のアンソニー・チェン。プロデューサーはティルダ・スウィントン主演作『MEMORIA メモリア』、チェン監督作『熱帯雨』のメン・シェ。そして撮影は『少年の君』のユー・ジンピンが担当。水墨画のような風景が広がる国境の雪山や、朝日にきらめくダイヤモンドダストなど、心象風景と一体化した繊細な風景描写に注目したい。また、3人の揺れる感情と微妙な恋愛模様をメランコリックな音楽で象徴するのは、監督が抜擢した“シンガポールのアンビエント・ボーイ”こと、キン・レオン。
主人公・ナナを演じるのは、21年に日本でもスマッシュヒットを記録した『少年の君』での真に迫る演技が記憶に新しいチョウ・ドンユイ。極寒の町に足止めされるハオフォンには、大人気シリーズ『唐人街探偵』で天才探偵を演じたリウ・ハオラン。ナナに片思いするムードメーカーのシャオを、Netflix映画『流転の地球』や『あなたがここにいてほしい』のチュー・チューシアオが演じる。
映画 『国境ナイトクルージング』 は、2024年10月18日(金)より全国公開。
中国と北朝鮮との国境の都市、延吉。ハオフォンは友人の結婚式に出席するため、冬の延吉を訪れた。披露宴が終われば、翌朝のフライトまで予定はない。暇つぶしに観光ツアーに参加してみたが、不運にもスマートフォンを紛失してしまう。そこで観光ガイドのナナはお詫びにとハオフォンを夜の延吉に連れ出す。男友達のシャオも合流しての飲み会は盛り上がり。ナナの部屋になだれ込んで朝方まで飲み明かすのだった。翌朝、寝過ごしたハオフォンは上海に戻るフライトを逃し、途方に暮れる。ぽっかり空いた週末。シャオの提案で3人はバイクに乗り込み、国境クルージングに出掛ける。数日間、目的もなく一緒に過ごしただけ。それでも、心から笑い、冒険した思い出が、迷える若者たちの未来を変えていく。
監督:アンソニー・チェン
出演:チョウ・ドンユイ、リウ・ハオラン、チュー・チューシアオ
配給:アルバトロス・フィルム
©2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES
2024年10月18日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト kokkyou-night.com 公式X: @kokkyounight