Apr 10, 2025 news

広瀬すず・杉咲花・清原果耶の“チーム感”を表現した衣裳、坂元裕二の脚本とシンクロした美術 唯一無二の世界観をつくりあげた制作の裏側 映画『片思い世界』

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広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を果たし、『花束みたいな恋をした』『ファーストキス 1ST KISS』など映画でも精力的に活動する脚本家・坂元裕二が新たに書き下ろした、映画 『片思い世界』。この度、本作の唯一無二の世界観を表現した制作の裏側が明かされた。

現代の東京の片隅で、古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)。3人の大切な“普通の暮らし”を表現するため、個性と工夫が詰められた大事な部屋と衣裳の制作秘話を美術・佐久嶋依里、衣裳・立花文乃が明かす。

屋根裏部屋のようなベッドルーム、一緒にご飯を食べるテーブルに一人一人違う椅子、毎年身長が記される柱に、ホラー映画を観ながらぎゅうぎゅうになって座るソファ、時計がわりのラジオ。映画『片思い世界』に登場する3人が暮らす古い一軒家には、懐かしさや温かさを感じる宝物のような家具や小物が詰まっている。

強い絆で結ばれる3人の生活は、広瀬すず演じる美咲の「私たち普通に生きよう」という一言から始まった。“普通に暮らすこと”を大切にする3人の個性溢れる居場所はどのように作られたのか。

佐久嶋依里は「例えば、量子力学に興味を持つ優花は、幼い頃からおまじないや心霊現象などに関心を持ってきたのかもしれないと想像して、本棚に並ぶ本を選んでみました。水族館で働くさくらはきっと海の生き物が好きなはずなのでベッドには魚のぬいぐるみがあって、手仕事が得意な美咲の近くには端切れ布やミシンなどがいつもあるのではないか、などです」とそれぞれの“好き”をヒントに世界観を作り上げていったと語る。

清原果耶演じるさくらの誕生日の朝、背比べをするシーンで印象的な柱にはあるエピソードが。元々、佐久嶋が描いたデザイン画にはリビングの真ん中に柱があり、構想段階から柱に3人が背比べをした印をつけようと思っていたとのこと。まだ誰にも伝えていなかったそうが、脚本の中に3人が身長を図って柱に印をつけるシーンを発見し、坂元裕二との思わぬシンクロに驚いたという。

部屋と同じく、3人の生活を彩る大事なエッセンスになっている衣裳を担当した立花文乃が最初に考えたのは色のイメージ。3人が集まった時に浮かび出る色のイメージについて「何となくですが、揺るぎのない赤と消えてしまいそうな青、という感覚がありました」と話す通り、3人のパジャマや普段着には赤と青が印象的に使われている。まずイメージ画の作成から着手したという立花の頭に浮かんだのは、12年間を3人だけで生きてきた彼女たちの“チーム感”だったそう。

「それぞれに個性がありながらもお揃い感があるような、そんなチーム感が欲しいと思いました」と語る立花が描いたイメージ画には杉咲花演じる優花が身につけているベストに似たアーガイル柄を中心に、個性豊かな服を身につける美咲、優花、さくらの姿が。優しい色合いの赤と青の色彩の中に刺繍やパッチワーク、つぎはぎなどが施されており、3人の強い絆が見事に表現されている。

イメージ画にもあるとおり、3人の衣裳には、必ずどこかに手作り要素が取り入れられている。「(土井)監督とは、彼女たちなりに生活を楽しんでいる感じが現れるといいんじゃないかと話しました。特に美咲は手仕事が得意で、自分だけでなく他の2人の洋服にも刺繍を施したりしているだろうと」と立花が話す通り、劇中では工夫しながらも唯一無二の着こなしを楽しむ3人の姿が随所に描かれている。

映画『片思い世界』は、2025年4月4日(金)より全国公開。

作品情報
映画『片思い世界』

現代の東京の片隅で、古い一軒家で一緒に暮らす、美咲、優花、さくら。仕事に行ったり学校に行ったりバイトに行ったり。家族でも同級生でもないけれど、お互いを思い合いながら他愛のないおしゃべりをして過ごす、楽しく気ままな3人だけの日々。もう12年、強い絆で結ばれているそんな彼女たちの、誰にも言えない“片思い”とは‥‥。

監督:土井裕泰

脚本:坂元裕二

出演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶、横浜流星、小野花梨、伊島空、moonriders、 田口トモロヲ、西田尚美

配給:東京テアトル、リトルモア

©2025『片思い世界』製作委員会

公開中

公式サイト kataomoisekai