Jul 07, 2022 news

ジブリ、寺田克也、松本大洋など日本の偉大な漫画家たちへのオマージュ 映画『神々の山嶺(いただき)』監督メッセージ動画&インタビューが公開

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第47回セザール賞アニメーション映画賞を受賞し、フランスで大ヒットを記録した日本原作のアニメーション映画『神々の山嶺(いただき)』。「登山家マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」登山史上最大の謎の鍵を握る一台のカメラと孤高のクライマー・羽生。そして、彼を追うカメラマン・深町が初登頂の謎に迫りながら前人未到の冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む姿を描く。

本作の完成を願いながら惜しくも2017年にこの世を去った、谷口ジロー自身も製作に参加。大ヒットアニメーション映画『ウルフウォーカー』の製作チームと共に7年の歳月をかけ、熱い人間ドラマと実写では再現不可能な命がけの登攀シーンを圧巻の映像で表現。堀内賢雄、大塚明夫、逢坂良太、今井麻美といった日本を代表する豪華声優陣が吹き替えを務め世界初のアニメ版に息吹を吹き込んだ。

この度、谷口ジローの意思を継ぎ、ザイルを繋いだ、パトリック・インバート監督のメッセージ動画&インタビューが公開された。

制作段階で一番苦労した点について、インバート監督は「原作が1500ページにも及ぶ大作なので、谷口ジローさんのスピリットや考え方をそのまま忠実にしながら、90分に短くするという作業が非常に難しかったです。」と脚本作成が難航したことを吐露。「人物の描写や、深い心理的な部分については、より複雑なので、谷口さんの他の漫画を読むなど、谷口さんについて理解することで脚色ができました。」と原作へのリスペクトを欠かさなかったことも話してくれた。そうして、脚本が完成したのは、実に4年の歳月が経過していたという。

本作の大きな見どころの一つが山の描写。ここにも、苦労は絶えなかった。「私自身、登山をしないので、まずは山についてインターネットや本から色々な資料や知識を得ました。スタジオに、実際の登山家を呼び、どうやって山に登るのか、具体的なジェスチャーを加えて色々教えてもらいました。ヒマラヤ登山は、日本やフランスの山とも、アルプスの山々を登るのとも違い、厳しさがあります。そこをできるだけ忠実に、リアルに、写実的に描くようにことに気をつけました。」とリアルを追求した描写の背景も明かした。

山の描写と合わせて、日本の描写も再現度が高い本作。ここでも監督は、「先ほどの山と一緒で、日本文化についてもインターネットでたくさんの資料や画像など、様々なものを参考にしました。フランス人には、日本文化のファンの方がすごく多く、スタッフの中にも日本に住んでいた人がいます。また、私の友人で、コンサルタントをしている日本人の方は、フランスに住んで20年になります。彼らから、日本の文化、上下関係といった人間関係や死生観などいろいろ教えてもらいました。例えば、日常生活では靴を脱ぐという習慣などです。また、日本の住居は、畳一畳の大きさが決まっているというところから教えてもらいました。」と細部にまでこだわった描写にも、日本のことを詳細に調べ尽くした事を明かした。