樋口真嗣監督と俳優の松尾諭が3月22日、大阪府泉佐野市のエブノ泉の森ホールで開催中の「泉佐野フィルムフェス」で映画『シン・ゴジラ』(脚本・総監督庵野秀明)の初のコメンタリー上映を行った。

司会を務めた声優・大西綺華から「泉佐野フィルムフェス」開催の感想を求められた2人。
松尾は「樋口監督から直々に居酒屋で『今度、泉佐野で映画祭があるんだけど……』と聞かされました。僕の役は保守第一党政調副会長の泉修一。劇中では、泉ちゃんと呼ばれるので、『(泉つながりで)来ないか』と誘われました。僕は兵庫県出身なのですが、泉佐野に来たのは初めて。でも、昨年、ふるさと納税をして、泉州タオルをもらいました」と話すと、樋口監督も「泉佐野市は初めてですが、羽振りがいい街ですよね。ふるさと納税では話題が絶えない。こちらのホールもすごく立派ですね」と毒舌混じりに話していた。

同映画は2016年に公開され、興収82.5億円を記録し、実写邦画ランキング第1位に輝いた。上映前には、「何をしゃべったらいいのか、分からない」と落ち着かない様子の樋口監督も、上映が始まると、東宝のロゴマークから饒舌に解説を開始し、会場限定のマル秘トーク満載で観客を喜ばせた。

約2時間のコメンタリー上映を終えた樋口監督は「疲れました!」と第一声。ティーチインではさまざまな質問が飛んだが、樋口監督は「いろんな疑問を持ちながら観るのは映画の醍醐味だと思います。勝手な妄想で観ることを楽しむ映画だと思っています。生ビールを飲みながら、オレはこう思うな、とか言って楽しむ作品です」と言えば、松尾も「映画は200% 説明しているわけじゃないので、観た人が新しい解釈を持つのもいいかもしれない。今の日本は少し説明が多すぎるんですよ」とフォローしていた。
関西国際空港のある泉佐野市で初開催される同フェスは、「世界から一番近い街の」「作り手と観客が一番近い」「映像×エンタメフェスティバル!」がコンセプト。監督自らが制作秘話を語るコメンタリー上映、声優や活弁士によるライブパフォーマンスなどを行い、作り手の生の声に触れられるのが魅力。
「泉佐野フィルムフェス」は、3月23日(日)まで開催中。
取材・文 ・撮影 / 平辻哲也

監督自ら制作秘話を語りながらのコメンタリー上映、声優や活弁士によるライブパフォーマンスなど、ここでしか味わえないエンタメ体験が盛りだくさんの、作り手と観客の“距離が一番近い”エンタメフェス。
【開催概要】
開催日:2025年3月21日(金)~23日(日)
会場:エブノ泉の森ホール(大ホール・マルチスペース)
主催:泉佐野フィルムフェス実行委員会
公式サイト izumisano-film