May 23, 2022 news

森山未來&アヴちゃんW主演 壮絶な運命を背負った2人の少年がスターダムを駆け上がる 狂騒のミュージカル・アニメーション映画『犬王』

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湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった常に新作が期待されるクリエイターが集結し、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く狂騒のミュージカル・アニメーション、映画『犬王』。「平家物語 犬王の巻」(古川日出男著/河出文庫刊)を原作に、カリスマ性、歌唱力、野心を備えた主人公・犬王を人気バンド「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんが、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が演じる。

W主演を務めるアヴちゃんと森山未來の迫力ある演技や、野外フェスのような臨場感あふれるライブシーンで早くも多くの反響を得ている本作だが、観客の心を熱狂させる成長譚となっている点にも注目したい。

主人公・犬王は周囲と姿が違うということで瓢箪のお面を被せられ身体も布に覆われた異形の子。しかし、その境遇をものともせず縦横無尽に都を走り回り、自らを“犬王”と勝手に名乗る。猿楽能の一派、比叡座の棟梁である父親たちの演技を見よう見まねで覚えるうち、特異な体つきを活かした人とは違う舞を身に着け、能楽師としての才能を開花させていく。

湯浅監督はそんな犬王について「生まれたときから大変な状況にいるのに『なんでこんなに明るいんだろう?』と思うくらい活き活きしていて、そこがとても魅力的」「原作を読んだとき、僕自身がたまたま疲れていて、そんなときに犬王というキャラクターと出会って、自分にも光が差したような感じがした」と語る。犬王は周囲と違うことを全く卑下することなく、むしろ独自の個性として、彼にしかできない舞や踊りを楽しみながら作り上げていく。

犬王の相棒となる友魚は、幼少期のある出来事をきっかけに両目の視力を失い、偶然出会った琵琶法師の弟子となることで音楽の才能を見出されていく。運命的な出会いによって、孤独だった互いを刺激しあい、バディになった2人は、能楽師と琵琶法師としてそれぞれ伝統をぶち破る驚異的なパフォーマンスによって民衆を魅了し、支持を得ていく。

壮絶な運命を背負った2人の少年がスターダムを駆け上がるさまを力強く書き切ったのは、これまでも映画『罪の声』やTVドラマ「アンナチュラル」「MIU404」といった作品で、さまざまな立場に置かれた人々の声を丹念に拾い上げてきた脚本家・野木亜紀子。本作でアニメ脚本初挑戦となるが、実写ドラマでは描くことがむずかしい犬王と友魚という2人の個性的なキャラクターが、お互いを支えあいながら少年から大人に成長していくさまを活き活きと描いている。

「帰り道は『♪デッカいく〜じら〜』と口ずさむこと請け合い」と野木が語るように、本作を見た後に残るのは不思議な爽快感。運命をものともせず、乱世に飲まれそうになりながらも決して明るさを失わない犬王と友魚。歴史には語られなくとも、たしかに心に残る2人の物語。

映画『犬王』は、5月28日(土)より全国公開。

作品情報
映画『犬王』

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪(ひょうたん)の面で隠された。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす2人。友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、2人だけの呼吸、2人だけの世界。「ここから始まるんだ。俺たちは」

壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞いで自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった2人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた2人を待ち受けるものとは?

監督:湯浅政明 

原作:古川日出男著「平家物語犬王の巻」(河出文庫刊)
脚本:野木亜紀子
キャラクター原案:松本大洋
音楽:大友良英

出演:アヴちゃん(女王蜂)、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊

配給:アニプレックス、アスミック・エース

©2021 “INU-OH” Film Partners

2022年5月28日(土) 全国公開

公式サイト inuoh-anime.com