【コメント】
▼永瀬正敏
ドイツの地でクランクイン前日僕の目の前で撮影中止が宣告され、全身の力が抜け去って、何も考える事が出来なくなったあの日から、27年の月日が流れました
その間も何度も何度も『わたし』が復活しそうになっては、僕の前から消えていってしまっていました
でも、石井岳龍監督は32年前のあなたとの約束を決して諦めていませんでした
非常に奇天烈で、しかし本質をずばり突いているこの素晴らしい原作を、長い時間をかけ映像化した石井監督は、満員の観客の皆さんの前で「新しいマジカルミステリーツアーをお楽しみ下さい」 と上映前に挨拶されました
上映が終わり、僕は思わず、お隣の石井監督の手を渾身の力で握り締めていました(後で聞くと本当は手じゃなかったみたいですが‥‥)
深夜のドイツ・ベルリンの会場に響いた 歓声と鳴り止まぬ拍手の音は届いていたでしょうか?
この夏、日本の皆さんへ、やっとやっと、やっと!
27年かかった『新しいマジカルミステリーツアー』を体感していただけます
どうか天国から見守っていてください
安部公房さん
「箱男」を残してくださりありがとうございました
そして100歳のお誕生日、おめでとう御座います!
『わたし』こと 永瀬正敏より
▼石井岳龍監督
小説「箱男」は読者の数だけ内容の解釈が違ってくるような、とても摩訶不思議で実験的な純文学作品ですが、原作者ご本人からは「映画にするのであれば娯楽にして欲しい」という予想もできなかった謎かけ難題をいただき、32年にわたり映画化の試行錯誤を重ね続けてきました。今回、遂に完成作品が世界に放たれるのは、非常に優れたプロデュースチーム、非常に優れた俳優チーム、非常に優れたスタッフチームの大いなる創作努力の集積の結果ですし、「箱男」世界が時代にシンクロする事が感慨深いです。
映画『箱男』は、2024年 全国公開。
「箱男」それは人間が望む最終形態、すべてから完全に解き放たれた存在。ダンボールを頭からすっぽりと被り、都市を徘徊し、覗き窓から一方的に世界を覗き、ひたすら妄想をノートに記述する。カメラマンである“わたしは、街で偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、のぞき窓を開け、遂にその1歩を踏み出すことに。しかし、本物の「箱男」になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。“わたし”をつけ狙い「箱男」の存在を乗っ取ろうとするニセ医者、すべてを操り「箱男」を完全犯罪に利用しようと企む軍医、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子‥‥。果たして“わたし”は本物の「箱男」になれるのか。
監督:石井岳龍
出演:永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市、渋川清彦、中村優子、川瀬陽太
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024 The Box Man Film Partners
2024年 全国公開
公式サイト https://happinet-phantom.com/hakootoko/