Aug 04, 2022 news

ケンカ最強のED野郎は彼女を愛したくても愛せない! 映画『復讐は私にまかせて』撮影界のレジェンドによるインタビュー&メイキング映像公開

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第74回ロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞したインドネシア発の独創的な愛と復讐のドラマ、映画『復讐は私にまかせて』が、2022年8月20日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて劇場公開となる。

本作本作の主人公たちは、男は勃起不全のケンカ野郎、女は伝統武術シラットの達人。愛したくても愛せない! 究極のジレンマに苦しむ男女のラブ&バイオレンスといった内容だ。

監督は、国内外で多くの受賞歴を誇るインドネシア映画の俊英エドウィン。往年の香港カンフー映画、タランティーノ、Jホラーへのオマージュをうかがわせる仕掛けは、観客の好奇心を駆り立てる。そしてバイオレンス、コメディ、エロスのエッセンスを散りばめた世界は、予測不能のスリルにみなぎっている。

本作では16ミリフィルムを採用した映像の鮮烈な色彩、豊かな陰影、ざらついた質感が、物語の魔法めいたロマンティシズムの美しさ、暴力のまがまがしさを際立たせ、 嵐のような愛と復讐のドラマを魅惑的にきらめかせている。

この度、黒沢清監督、深田晃司監督ら数々の作品を手掛け、本作の撮影を担当した芦澤明子のインタビューとメイキング映像を公開された。

撮影は、インドネシ アの雨季終盤の2020年2月末から、ジャカルタから飛行機で約1時間の場所レンバンという小都市で行われた。

1カ月半で撮影終了する予定だったが、2020年3月中旬、インドネシアで新型コロナウイルスが流行したことにより3月末で一旦中断。8月に撮影が再開され、2020年8月10日に撮影が終了した。本作には、芦澤の他に撮影・照明で5人の日本人スタッフが参加した。

フィルムの提供元は、芦澤と付き合いのある日本Kodakが担当。日本とインドネシアの経験豊富な制作人がインドネシアに集結し、映画制作がスタート。(日本映画 撮影協会(JSC)発行「映画撮影」No.227 より引用)

撮影の素材として16ミリフィルムを選んだのは芦澤だった。
「この作品の持っている機動性、アクティブさと16ミリのざらけた風合いが本作の時代性にあっていると思っています」と芦澤。

監督のエドウィンも16ミリの質感は、主人公のアジョ・カウィルとイトゥンの間のロマンチックなラブ・ストーリーを表現すると同時に、彼らが住む世界の過酷な雰囲気を完璧に捉えられるだろうと確信したという。

インタビュー内で芦澤は「(16 ミリ撮影のような)アナログは面倒です、今回のチームでフィルムを初めて使ったスタッフ達はなんて面倒なんだろう、なんて手間がかかるんだろうと思ったと思います。フィルムで撮ったことが誇らしいのではなく、フィルムで撮っていい結果を残せたことが誇らしいのです」と話す。

アナログ撮影には想像力が必要、それを芦澤は“想像の泉”という言葉で表現した。「デジタルはその場ですぐ結果が分かります。フィルムはケミカルなのでその場で想像力を働かせることがモノを作ることの基本になると思います」と締めた。

インタビュー後にエドウィン監督、インドネシアの撮影チームについて「圧倒的に女子のパワーが強い。若くてエネルギーに満ちている。ハリウッド的な方法論・時間の使い方に依拠しながら、インドネシアの現実やイスラムの習慣などを踏まえて“いい塩梅”の現場を作り上げていました。エドウィン監督はフィルムの事をよくわかった上で、柔軟な演出をして皆をひっぱっていく。現場の突然の思い付きを大切にする方で 私はそこが特に好きです」と撮影を振り返った。

作品情報
映画『復讐は私にまかせて』

1989年、インドネシアのボジョンソアン地区でケンカとバイクレースに明け暮れる青年アジョ・カウィルが、クールで美しく、男顔負けの強さを持つ女ボディガードのイトゥンとの決闘に身を投じ、情熱的な恋に落ちる。実はアジョは勃起不全のコンプレックスを抱えていたが、イトゥンの一途な愛に救われ、ふたりはめでたく結婚式を挙げる。しかし幸せな夫婦生活は長く続かなかった。アジョから勃起不全の原因となった少年時代の秘密を打ち明けられたイトゥンは、愛する夫のために復讐を企てるが、そのせいで取り返しのつかない悲劇的な事態を招いてしまう。暴力と憎しみの連鎖にのみ込まれた彼らの前に、ジェリタという正体不明の“復讐の女神”が舞い降りるのだった。

監督:エドウィン

撮影:芦澤明子

出演:マルティーノ・リオ、ラディア・シェリル、ラトゥ・フェリーシャ、レザ・ラハディアン ほか

配給:JAIHO

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2022年8月20日(土) シアター・イメージフォーラムほか全国公開

公式サイト fukushunomegami.com