ケリー・ライカート監督作、映画『ファースト・カウ』。この度、ライカート監督と三宅監督の対談をおさめた特別映像が公開された。
現代アメリカ映画の最重要作家と評され、いま最も⾼い評価を受ける監督のひとりであるケリー・ライカート作品がついに⽇本の劇場で公開される。
物語の舞台は⻄部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理⼈のクッキーと中国⼈移⺠のキング・ルーは、ドーナツ作りを通して少しずつ友情を育んでいく。
この度公開されたのは、ケリー・ライカート監督の⼤ファンと公⾔している、『ケイコ ⽬を澄ませて』『夜明けのすべて』の三宅唱監督とライカート監督が、本作の撮影秘話から、監督同⼠ならではのディープな質問までを語り合う対談映像。
まず三宅監督が質問したのは物語が始まる冒頭のシーンについて。いつどのようにして、最初のショットを決めたのかと尋ねると、ライカート監督は「本作を捧げたピーター・ハットン監督のオマージュでした」と語る。
続いて、「本作では“友情”は⼩さくて⾒つけづらいものとして表現されているのでは?そこの⼯夫は?」と、クッキーとキング・ルー2⼈の友情について疑問を投げかけると、ライカート監督は「クッキーの周りの男たちは殴りかかったり暴⼒的だけど、キング・ルーとはすぐに会話ができた。そんな驚きや2⼈の出会いを描きたいと思いました」と、本作のテーマを明かした。
その他、劇中のショットはどのようにして⽣まれたのか。また、本作を制作するにあたりどんな作品を参考にしたのか。三宅監督の投げかけに応える形で、ライカート監督は細かなシーンのディテールまで解説をしていく。そして最後にライカート監督は「理想としては⾃分の作品を映画館で観た後、全く違う解釈や意⾒を持ってくれると⾯⽩いですね」と、⽇本の観客へ呼びかけた。
映画『ファースト・カウ』は、2023年12月22日(金)より全国公開。
西部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。共に成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、甘い甘いビジネスだった。
監督・脚本: ケリー・ライカート
出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ
配給:東京テアトル、ロングライド
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2023年12月22日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
公式サイト firstcow