エルヴィスを理解するための約3年間
翌日26日(日本時間 26 日夜)に行われた記者会見では、バズ監督とオースティン、トム・ハンクス、エルヴィスの 妻プリシラ役のオリヴィア・デヨング、エルヴィスと同じくロックの創始者のひとりで、アメリカのシンガーソングライターであるリトル・リチャード役のアルトン・メイソンらが出席。
華やかな映像と音楽に包まれたエンタテインメント大作を得意とするバズ監督は、ブラック・ミュージックの影響を
受けながら、スーパースターとして熱狂的な人気を博した一方で、そのセンセーショナルさから社会の中傷の的となったエルヴィスの半生を、多くの“神曲”とともに描いた。
強欲なプロデューサー、トム・パーカーとの知られざる逆境を型破りに打ち破っていくなか、若くして謎の死を遂げたエルヴィス。
バズ監督は、 彼の生涯を描くためにリサーチ班を作り、実際にプレスリーがブラック・ミュージックに浸ったメンフィスに滞在したことで、プレスリーのこと、さらにミュージシャンとしての彼をより理解することができたそうだ。
「彼は若いときからブラック・ミュージックに親しみ、B・B・キングとの交流も有名だった。ブルース、ソウル、ゴスペルなどさまざまな音楽に浸り、そこからインスピレーションを得て、自分なりの音楽を作り上げた。
彼はよく『俺は キング・オブ・ロックンロールじゃない、それに浸って発散しただけだ』と語っていたが、僕は彼こそキングだったと思う。そしてとてもスピリチュアルな人だった。そのパフォーマンスはパンクロッカーの元祖と言えると思う」と語った。
オースティンは役作りについて尋ねられると「3年間彼に浸り続けた。何度も何度もクリップを見直し、彼の動き、 その声、眼差しなどを研究した。そうやって浸り続けたおかげで、鏡を見て、自分でもなんだかプレスリーみたいだと思えるようになった(笑)。
でも僕にとって大事だったのは、彼のソウルがにじみ出るようにすることだった。3年間、彼のレガシーに浸り、素晴らしい人物の人生を生きたことは、本当に心を動かされた経験だった」と語った。
一方、「悪役」とされるマネージャーに扮したトム・ハンクスは、陽気に記者会見場を沸かせた。
「僕はプロだからね。 お金をもらえればどんな人物にもどんな服装にもなるよ(笑)。(自分が演じた)トム・パーカーのことはよく知らなかった。この役を演じることになって、どんな人物だったか知って驚いた。彼は強欲だったけれど、プレスリーを最初に見出してスターにした人物だ。もっともプレスリーの音楽に感銘したというより、観客の反応に衝撃を受けたんだけど。プレスリーの音楽的な功績を世に残したという点だけは認められるだろう」とコメントした。
アメリカの映画評論サイトであるロッテントマトで高評価をたたき出し、アカデミー賞受賞監督のギレルモ・デル・トロも自身のSNSで「この映画は、まばゆく、大胆で、感動的だ。オースティン・バトラーは、声、動き、感情など、すべての色合いを見事に表現している。とても気に入った。大好きだ。大好きだ。」とコメントを寄せるなど大絶賛の声が続々と集まっている。
世界史上最も売れたソロアーティスト、エルヴィス・プレスリー。彼がいなければ、ビートルズも、クイーンも存在しなかった。 エルヴィスの誰も知らなかった真実の物語を、『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が映画化。
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、オリヴィア・デヨング、コディ・スミット=マクフィー
配給:ワーナー・ブラザース映画
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2022年7月1日(金) 全国公開
公式サイト elvis-movie.jp