Jan 05, 2023 news

【独占】『スリー・ビルボード』の監督が明かす、映画制作の“極意”とは!? 映画『イニシェリン島の精霊』

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2017年映画賞を総なめし、世界を震撼させた傑作『スリー・ビルボード』の鬼才マーティン・マクドナーによる全世界待望の最新作『イニシェリン島の精霊』。

第80回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)をはじめ、最多7部門で8ノミネート。そのほか、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では主演男優賞(コリン・ファレル)をはじめ3部門で受賞、第27回サテライト賞では作品賞(コメディ/ミュージカル部門)を含む8部門でノミネートを果たすなど、アカデミー賞の前哨戦として注目されるポイントを軒並み制覇し、アカデミー賞最有力候補作品として期待が高まっている。

本作を手掛けるにあたりマクドナーは、美術のマーク・ティルデスリー、撮影監督のベン・デイヴィス、チーフ助監督のピーター・コーンを自宅に招き、2週間もの間、泊まり込みで脚本について話し合い、本作の全フレームをストーリーボードに描き起こして説明をしたという。マクドナーは「私が脚本を書く時に決めることは、役柄と台詞と設定だけ。」「その時点では画のことは考えていない。だから、ストーリーボードを作る工程は、私の映画制作にとって重要な期間だ。」と自身のこだわりを語る。この取り組みは、ハリウッド界でもマクドナーならではの独特の手法らしい。

そんなマクドナーが本作をストーリーボード化していく上で思い浮かべていたというのが、往年の“西部劇”だった。1923年という本作の時代設定が、当時大いに盛り上がっていたと言われる西部劇に繋がったそうで、制作チームは、ノワール映画『狩人の夜』(51)などの古典映画を観るとともに、西部劇映画の名匠ジョン・フォードやセルジオ・レオーネの作品を参考にしており、実際に劇中にはレオーネのローアングル、股間越しのショット、フォードのドア越し、窓越しのショットという各名匠たちの代名詞ともいえるショットが採用されている。

ガンマンたちによる派手なアクションや対決が魅力の西部劇だが、その要素がパードリックとコルムの友情関係にどのようなスパイスを与えるのか?

映画『イニシェリン島の精霊』は、2023年1月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開。

作品情報
映画『イニシェリン島の精霊』

本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さい島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた‥‥。

監督・脚本:マーティン・マクドナー

出演:コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン、ケリー・コンドン、バリー・コーガンほか

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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2023年1月27日(金) TOHOシネマズ シャンテほか公開

公式サイト bansheesofinisherin