映画『ラ・ラ・ランド』でアカデミー監督賞を史上最年少で受賞した監督デイミアン・チャゼル。彼の最新作『バビロン』は、第95回アカデミー賞でも3部門でノミネートされた。本作のヒロインは、ギラギラした1920年代のハリウッドで一躍トップスターへと昇りつめながら、破滅と隣り合わせの危うさのなかを進んでいく新進気鋭の女優・ネリー・ラロイ役。この役は、実在した名女優クララ・ボウがモデルとなっている。この度、ネリー役を務めた女優のマーゴット・ロビーが、難役への思い入れを熱弁する特別映像が公開された。
映像では、ロビーが「こんな親近感のある役は初めて」「今までで最も誇れる仕事よ。人生においてもね」と特別な想い入れを明かし、共演したブラッド・ピットも「彼女は自然体だ」と称えている。
チャゼル監督は本作を撮るうえで、10年以上かけて作り上げたこの重要キャラクターに命を吹き込める最適な人物を探すことを重要視し、どのキャラクターよりも先にキャスティングを行ったという。そこで白羽の矢が立ったのが、マーゴット・ロビーだった。キャスティングについてチャゼル監督は、「ネリーのような役には、恐れを知らない役者が必要だ。まるでスクリーンを両脇から掴んで揺さぶり、やりたいようにやれる役者がね。それが僕にとってはネリーであり、そしてマーゴットだった。他の多くの点で彼らは全く異なるタイプの人間だが、二人に共通するエネルギーや熱意、渇望がある」と明かしている。
ロビーも、脚本を初めて読んだ際に「“絶対にやらないと。この役は私のものよ”って。あまりの熱意に、私のチームが少し懸念したほどよ」とネリーの生き様にすっかり魅了され、周りが心配するほど一心不乱に役を掴みたい気持ちがあふれ出ていたという。
信じられないほどの成功をつかむ大スターが次々に登場した傍らで、ひとたび堕ち始めてしまうと瞬く間に滑り落ちる・・・・そんな当時の激動のハリウッドでは、明るく燃え、激しく堕ちていったサイレント映画のスターが多かった。ジャンヌ・イーグルス、アルマ・ルーベンス、セルマ・トッド、メアリー・ノーラン、さらに当時としては珍しいワイルドなロングヘアが特にインスピレーションの源となったリア・ラプッティなど、ネリー役はこうした多くの名女優を参考にされた。
中でも、モデルとして大部分を占めたのが、まさに本作が描く1920年代に創設されたアカデミー賞、その第1回作品賞受賞作『つばさ』にも出演している名女優であり、サイレント映画時代の最大のセックス・シンボルとしても愛されたクララ・ボウの物語だ。ロビーもネリーという役柄を理解する上で大きな助けとなったと話す。
「クララ・ボウは、おそらくこれまで聞いた中で最もひどい子ども時代を過ごした人だと思う。クララの両親は彼女のために出生証明書を取得しなかった。すでに二人の子どもを亡くしていて、彼女も生き長らえると思わなかったから。それを読んだとき、ネリーというキャラクターを理解できるようになった。この地球で過ごす日々はいつ終わってもおかしくないと感じていたから、毎日全力で立ち向かっていたのだと想像できたの」と激動の時代を貪欲に生き抜いたボウの壮絶な人生に、ロビーは共鳴したと語る。
故郷の田舎での過酷な生活から抜け出し人生を変えるためにハリウッドへと飛び込むネリーのバックボーンを自身に落とし込み、難しい役柄を見事に体現してみせたロビー。下着を身につけずにデニムのサロペット姿で弾けまくるカットも印象的なネリーだが、クララ・ボウも同様の装いで過ごしていたことで知られており、内面も外見も、この時代を生きた女優として紛うことなき名演を見せてくれる。
本作は、2023年2月10日(金)より全国公開。
ゴールデンエイジ(黄金時代)と呼ばれた1920年代ハリウッド、サイレント映画からトーキー映画へと移り変わる時代。富と名声、野心に彩られた映画業界で夢を叶えようとする男女の運命を描く。
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
製作総指揮:マイケル・ビューグ、トビー・マグワイア、ウィク・ゴッドフリー、ヘレン・エスタブルック、アダム・シーゲル
出演:ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、ディエゴ・カルバ、ジーン・スマート、ジョヴァン・アデポ、リー・ジュン・リー、P・J・バーン、ルーカス・ハース、オリヴィア・ハミルトン、トビー・マグワイア、マックス・ミンゲラ、ローリー・スコーヴェル、キャサリン・ウォーターストン、フリー、ジェフ・ガーリン、エリック・ロバーツ、イーサン・サプリ―、サマラ・ウィーヴィング、オリヴィア・ワイルド ほか
配給:東和ピクチャーズ
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2023年2月10日(金) 全国公開
公式サイト babylon-movie.jp