エンターテイメントに特化した世界最大級の動画配信サービスを提供するNetflixが、7月1日から4日(現地時間)までアメリカ・ロサンゼルスで開催されている「Anime Expo 2023」に参加した。
「ポケモンコンシェルジュ」からは女優のん、「PLUTO」からはエグゼクティブプロデューサーの丸山正雄、「BEASTARS」からは主人公のハイイロオオカミのレゴシ、そして『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100 のこと~』からは主演の赤楚衛二と原作の作画担当、高田康太郎がそれぞれ登壇し現地のファンへ向けて思いを語り尽くしたほか、各作品の新しい情報も一挙に公開され、さらに「ONE PIECE」からは田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明が吹替声優を務めることが発表され、会場は終始熱狂に包まれた。
まず、世界中から愛されるポケモンの完全新作ストップモーション・アニメ「ポケモンコンシェルジュ」からは、ステージに女優のんが登壇。のんが、本作の主人公ハルの声を演じることが発表され、あわせて、見ているだけで心が和むティザーアートが公開された。
オファーが来た時に興奮したというのんは「ハルちゃんは頑張り屋さんで空回ってしまうところが本当に愛おしい。私も猪突猛進なタイプなので共感できました」と笑顔で語り、「1日に撮影できるのがたった4秒、そのくらい時間をかけて作られていることに感動しました」と実際に制作現場を訪れ、イーブイやフシギダネ、など他のポケモンたちと触れ合った思い出を振り返った。
さらに、今回プレスコという撮影が始まる前に行われる声の収録を初体験したそうで「最初何もない状態から声を録って、それにあわせてアニメーターさんが動きをつけていったそうで、リアルな動きや表情を楽しんでいただけるのではと思います」「ハルちゃんが落ち込んだり失敗しながら、ポケモンと過ごす中でいろいろなことを学んで前を向いて歩いていく作品です。自分が落ち込んだ時に、ポケモンが寄り添ってくれる世界になっていると思います」と作品の優しい世界観をアピールした。
続いて、アニメ化発表以来、世界中の原作ファンから多くの注目を集めている「PLUTO」からは、エグゼクティブプロデューサー丸山正雄が登壇。10年以上ぶりのAnime Expoへの参加となった丸山はイベント自体の規模の拡大と会場の熱気に圧倒されながらも、これまでのキャリアをMCから訪ねられた丸山は「“アニメ”という言葉がまだ生まれていない時代から、この仕事をしてきました。私の60年のアニメ制作の集大成と言える「PLUTO」をここ(ロサンゼルス)に持ってこれて嬉しいです」と、本作にかける想いを語った。
そして、本作の待望の配信日が10月26日に決定し、1話60分の全8話で原作8巻分の物語を丁寧に描き切ることが明かされると、本編の構成について丸山は「今回Netflixと組んだことで本編尺の制限を気にせずに、制作現場として挑戦したいことや原作の大切な部分をすべてやれた」と集大成となる本作で持てる力を出しきったと話した。
さらに、ティザー予告映像も公開され丸山は「初めて浦沢さんが描いたアトムを見た時、僕らに馴染みのあるアトムとは見た目は違うのに、そこにいたのは紛れもなくアトムだった」とアニメ―ションとしてキャラクターを動かす原体験を明かした。そして、追加キャストとスタッフ情報も発表され、ゲジヒトやアトムと同じ世界最高水準の7人のロボットたちであるモンブラン役を安元洋貴、ノース2号役を山寺宏一、ブランド役を木内秀信、ヘラクレス役を小山力也、エプシロン役を宮野真守、そして物語の鍵を握るロボット・プルートゥ役を関俊彦が務める。
監督を務めるのは、本作が初監督作品となるものの、『紅の豚』や「新世紀エヴァンゲリオン」などの作画監督を担ってきた河口俊夫。キャラクターデザインは、これまでも「YAWARA!」や「MASTERキートン」など浦沢作品のアニメを手掛けてきた藤田しげる、音楽には「PSYCHO-PASS」シリーズや「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズなどのアニメから、「ガリレオ」シリーズや「テセウスの船」など実写推理ドラマまで幅広く手掛ける菅野祐悟が参加する。