Jun 12, 2025 news

「芸術か、暴力か」傑作と呼ばれた映画の撮影の裏側で何があったのか 映画『タンゴの後で』25年9月日本公開

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第77回カンヌ国際映画祭に正式出品され、今なお世界中で問題とされるエンターテインメント業界における権力勾配、搾取について鋭い視線を投げかけた、映画『タンゴの後で』。この度、本作の日本公開が決定し、あわせて、予告映像とポスタービジュアルが公開された。

19歳のマリア・シュナイダーは気鋭の若手監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンの撮影は彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落していく。

本作は「70年代最大のスキャンダル」と言われた作品の舞台裏で一体何が起きていたのか、という、映画の撮影現場での問題について声を上げた最初の女性の一人、マリア・シュナイダーの波乱に満ちた人生に焦点を当てる。

監督はヴェネツィア映画祭での受賞経験もある新鋭ジェシカ・パルー。ベルナルド・ベルトルッチ監督作『ドリーマーズ』でインターンとして彼との仕事を経験した彼女は、マリアのいとこであるジャーナリストが記した「あなたの名はマリア・シュナイダー:「悲劇の女優」の素顔」(ヴァネッサ・シュナイダー (著)/早川書房刊)と出会い、彼女の人生を映画化することを決意。マリアを演じるのはヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞作『あのこと』で世界的賞賛を浴びたアナマリア・ヴァルトロメイ。そして、マーロン・ブランド役を名優マット・ディロンが演じる。

▼ジェシカ・パルー監督:インタビューより抜粋
マリア・シュナイダーの物語は私にとって特別でした。私は誰かを責めたり、裁いたりするのではなく、この出来事の「遺産」に向き合いたい。そして、彼女の視点を通して、この社会を新たな角度から描き出したいのです。まずは「異常だったこと」を認識すること。それが、最初の一歩です。

▼浅田智穂(インティマシー・コーディネーター):コメントより抜粋
マリアからの「視線」に、私たち観客は何を思うのか。私たち作り手は彼女に何を問われ、どう自問すべきなのか。かつてマリアに向けられた様々な「視線」の中で、彼女が戦い、傷つき、それでも生きてきた姿を目にした今、私たちは彼女の「視線」から目を逸らすことなどできないのだ。

映画『タンゴの後で』は、2025年9月5日(金)より全国公開。

作品情報
映画『タンゴの後で』

19歳の若手女優マリア・シュナイダーは新進気鋭の監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンは彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落としていく。

監督・脚本:ジェシカ・パルー

原作:「あなたの名はマリア・シュナイダー ―「悲劇の女優」の素顔」(早川書房・刊)

出演:アナマリア・ヴァルトロメイ、マット・ディロン、ジュゼッペ・マッジョ、イヴァン・アタル、マリー・ジラン 

配給:トランスフォーマー 

2024 © LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL / MOTEUR S’IL VOUS PLAIT / FIN AOUT

2025年9月5日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

公式サイト transformer.co.jp/m/afterthetango