Sep 02, 2017 interview

ジャニーズを主役にした新たなドラマの形 『ウチの夫は仕事ができない』小田玲奈プロデューサーインタビュー

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土曜10時という枠は、働く男のドラマに

 

──小田さんが去年作った『家売るオンナ』と『校閲ガール』の放送枠・水10は、働く女性がターゲットですが、土曜の10時には何か規定はあるんですか?

ちょっと大人向けにリニューアルということで、9時から10時に時間帯が移ったので、今までの土曜9時のように、お母さんがお子さんと一緒に観るドラマではなく、私が水曜10時でやってきたようなものと考えて取り組んでほしいと上司に言われていました。

──『家売るオンナ』と『校閲ガール』の印象が強烈で、小田さんは女性のドラマを作られる方と思っていたところ、土10でジャニーズの方を主役にして、新しい男の人のドラマの可能性を拓かれた感じがします。

働く男の辛さや切なさを、女性の自分がドラマにするとどうなるかということには興味がありました。錦戸さんは、ほんとに上手な役者さんで、みんなが感情移入できる、働く男を演じて頂けました。ただ、完全に大人のドラマと決め込まないで、子供が観ても楽しめるように、ヒリヒリし過ぎず、明るいものにするように意識はしています。

──ミュージカル場面を盛り込んでいるのも、そのためですか?

夫の会社での話は、けっこうヒリヒリするので、楽しく見ることのできる要素が何かないかと考えているとき、佐藤東弥監督が「踊ったらどうか」と提案されまして。たぶん、『ラ・ラ・ランド』を観た直後だったと思うのですが(笑)。半信半疑ながら、錦戸さんと(松岡)茉優ちゃんに訊いてみたら、ふたりとも「やってみましょう」と引き受けてくださったんです。私たちも、やってみて、なんか違うなと思ったら、勇気ある撤退をしようと考えつつ、いざ、やってみたら、錦戸さんはもちろん、茉優ちゃんも踊れるから、楽しくなってしまって。少なくとも、8話までは踊っています。

 

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──大変ですね、お芝居部分のほかに、毎週、踊りの練習もしないといけないとは。

それはわりとみんなすぐに覚えちゃうんですよ。

──ジャニーズの方々は、振付を一回で覚えちゃうといいますものね。

茉優ちゃんも、覚えが早いです。モーニング娘。さんが好きだから、踊ることも好きみたいですね。

 

オリジナルドラマを作る楽しさ

 

──小田さんが最初に手掛けたドラマは『家売るオンナ』というオリジナル。2作目の『校閲ガール』は原作ものでしたが、3作目はまたオリジナル。いま、なかなかオリジナルドラマができないと言われている中で、快挙ですよね。

日テレは、今期も前期も、2クール続けて、全作品がオリジナルです。

──すばらしいですね。

連ドラデビュー作でオリジナルをやれたことは、ありがたかったです。何者かもよくわからないようなドラマの新米Pがね(笑)。もちろんそれは脚本の大石静さんがいてくださったからこそ出来たことですが。オリジナルドラマの面白さのひとつは、作っていく過程で、思いがけないアイデアが出てくることです。『ウチの夫〜』では、例えば、お仕事ドラマパートと、ホームドラマパートがふたつに分かれていて、それぞれのパートのキャストが絡むシーンが少なかったのですが、お仕事パートの薮宏太さん(夫の会社の後輩)と、ホームドラマパートの江口のりこさん(夫の姉)の役が面白いから、ふたりをくっつけたら、もっと面白いと思って、脚本家の渡辺千穂さんと話し合って決めました。それはまさに、オリジナルを作る醍醐味でした。台本を渡して、演者さんに感想を聞くのが私の楽しみなのですが、それこそ、江口さんと藪さんの関係には、錦戸さんが「嘘やろ!」と驚いてくれて、嬉しかったです(笑)。

──そのまま彼らの関係は続いていくんですか。

錦戸さんも「どうせすぐに別れるんでしょう?」と言っていましたが、私たちはそんな生半可な気持ちでこのふたりを出会わせていないのです(笑)。