Jul 25, 2017 interview

鈴木伸之インタビュー:不倫の次は正義感の強い捜査官、我ながらすごい振れ幅です(笑)

A A
SHARE

tokyoghoul_06

 

窪田正孝さんの佇まいから大きな刺激を受けました

 

──先ほどから何度か窪田さんのお話が出てきますが、共演されるのは2回目ですよね。

そうなんです。もちろん共演させていただく前から窪田さんのお芝居は見ていたので、すごく尊敬していたし、その佇まいが好きだったんです。そんな方とお芝居をしたり、アクションができたことは大きな喜びでした。窪田さんはただ現場にいらっしゃるときも、フッと自然にカネキになっているんです。そういう姿から刺激をもらったし、僕自身も集中して良い緊張感の中で臨めました。

 

tokyoghoul_07

 

──亜門が所属するCCGのパートナーで、共に行動する場面の多かった真戸役の大泉洋さんとは初共演でしたよね。

はい。大泉さんの出演された映画『アイアムアヒーロー』を観させていただいたばかりだったんですけど、大泉さんはトークも立つし、どんな役でも魅力的に演じられるし、ちょっとずるいなって思ってしまうくらい素晴らしい方だと思っていたんです。実際にお会いしてみたら想像以上に物腰の柔らかい方で、初日からすごく気さくに話しかけてくださいました。真戸と亜門は、上司と部下の関係で、公私ともに信頼関係のある役柄だったんですけど、真戸役が大泉さんで心から良かったと思います。お芝居関係なく、自然と尊敬の念が湧いてきました。

──大泉さんとはコミュニケーションも頻繁に取られていたんですか?

はい。空き時間にはお子さんの話をたくさんしてくださいました。お芝居の上でも、『こうしてみたほうがいいんじゃない?』という感じでサラッとアドバイスをくださったり、本当にお世話になりました。

 

tokyoghoul_08

 

──撮影を振り返ってみて、鈴木さんご自身で一番インパクトに残っている出来事があれば教えてください。

亜門に少しでも近づけるよう自分なりには努力したつもりなんですけど、マンガの亜門のような腹筋をつくるのは難しかったです(笑)。やっぱりあのハードなアクション稽古を乗り越えたのは大きな経験になったと思います。一度、あまりに稽古がきつくて、終わった後に手足が痺れて唇がブルブル震えるくらいの状態になってしまって。少し休んだらすぐ治ったんですけど、生まれて初めての体験でした。

 

人間も喰種も、それぞれの正義のために戦っているんです

 

──監督の萩原健太郎さんからアドバイスや指示などは受けました?

萩原監督とは今回初めてご一緒させていただいたのですが、役に対してのパスを数多く下さる方です。亜門を演じるにあたり『アクト・オブ・キリング』という映画を勧められたんです。監督はその作品を通して立場や信念が変わると、周りの見え方や考え方が一変する、ということを伝えたかったみたいで、確かにそれは亜門に通じるものがあるな、と。そこからヒントを得て、原作では亜門はキリスト教の神父に育てられた設定ということで新約聖書と旧約聖書にも目を通しました。残念ながら僕には難しくて意味を理解できなかったんですけど、そんな風に監督の1個のパスから、それを自分なりに解釈して、広げて、役作りに活かさせていただいたりしました。

 

tokyoghoul_09

 

──そうやって亜門の内面に触れたことで、鈴木さんは亜門の持つ正義についてどう解釈されましたか?

僕個人から見たら喰種はただただ恐怖の存在ですけど、亜門は喰種のことを駆逐すべき存在としか見ていないんです。しかし、カネキという半分人間半分喰種という存在に出会って喰種の世界を知り、少しだけ動揺するんです。窪田さんからも現場で『僕のことを虫を見る目で観てきて欲しい』って言われていたんですけど、それってこういうことだよなって。試写で初めて観るシーンも多かったのですが、特にヒナミのセリフは心に刺さるものがありました。彼女の放つ印象的なセリフに、喰種に対する思いがちょっとだけ変わった気がします。

──“葛藤”というのも今作の大きなテーマになっています。鈴木さんが日常生活で葛藤を感じる瞬間ってどんなときですか?

ちょっと話が逸れちゃうんですけど、僕、お菓子が大好きなんです。家でテレビを観ながらスナック菓子を食べるのが最高の瞬間なんですけど、やっぱり食べ過ぎるとニキビが出来てしまったりして。撮影中はコンディションを整えないといけないから本当は我慢しないといけないんですけど、どうしても止められない。それが僕の最も葛藤する瞬間です。あれ、なんの話しているんだっけ。

 

tokyoghoul_10

 

──(笑)。じゃあ、人間の食べ物が一切受け付けられなくなってしまう喰種というのは、絶対になりたくないものですね。

嫌ですね〜! もし自分が喰種になってしまったとしてもその事実が受け入れられなくて、無理してでも食べちゃうと思います。だから、カネキが半喰種になってしまってものが食べられなくなってしまうシーンは試写で観たときもかなり印象に残りました。