May 11, 2017 interview

今回もネタバレ厳禁!冒頭から悪夢に突き落とされる新作『スプリット』シャマラン監督インタビュー

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監督の名前を聞いて、どんな映画か気になる“注目度”という点で、世界でもトップレベルの監督が、M.ナイト・シャマランだ。時として作品は賛否両論にもなるが、前作の『ヴィジット』(15)で、シャマランの才能を見直した映画ファンも多数。
そして新作『スプリット』(17)では、23もの人格を持つ主人公という、シャマランらしい題材を得て、すでに公開された全米では予想外の大ヒットを記録した。 監督として新たなステージに突入したシャラマン氏にインタビューを敢行!

 

──前作の『ヴィジット』に続き、今回の『スプリット』も評判が高く、全米で大ヒットの成功を収めましたね。

『ヴィジット』で低予算の小規模映画に路線を変更して、この『スプリット』もやはりスケールは小規模なんだ。だから観客層も限定されると思っていたんだけど、ここまで反響が大きくなったのは僕もびっくりだよ(笑)。小規模作品の大いなる可能性を実感したね。

──『ヴィジット』の成功で、『スプリット』に着手したわけですね。

いや、そういうわけじゃない。改めて思い返すと『ヴィジット』と『スプリット』のアイデアは同時進行していて、どっちを先に撮るべきか迷っていた。子供と老夫婦がメインキャラクターで、大スターが必要ない『ヴィジット』を撮って、その後、ある程度スター性を必要とする『スプリット』にした方が、観客にとってもいい流れになると思ったのさ。逆だと、ちょっと違和感があるだろう?

──たしかにスケールダウンした感じがします。

でも『ヴィジット』を撮るとき、メリル・ストリープとロバート・デ・ニーロに老夫婦を演じてもらおうかなと、一瞬、頭をよぎった。ただのひらめきで終わったけどね(笑)。

 

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──『スプリット』の主人公は、いくつもの人格がある解離性同一性障害です。あなたの作風にはぴったりですね。

実は解離性同一性障害については大学生時代に興味があって、勉強していた。でも当時はまだ情報が少なくて、原因など不明な部分が多かった。最近は研究が進み、さまざまな要因がわかってきたんだ。

──複数の人格という要素は、あなたの過去の映画にも出てきましたね。

ああ、あの映画だね(笑)。たしかに以前から、解離性同一性障害を題材にしたかった。でも作るなら小規模の映画がふさわしい。スケールの大きな作品を撮り続けていた時代には難しかったのさ。今ようやく、ぴったりの状況になって作れたんだ。

──解離性同一性障害といえば、『24人のビリー・ミリガン』という有名な作品があります。ここ数年、レオナルド・ディカプリオが映画化に奔走していましたが、それより先に作ってしまおうと思ったりは?

レオは友人なので、僕が先に『スプリット』を作ってしまったことをどう思っているか、気になって仕方ない(笑)。まぁ彼は俳優で、僕は脚本家で監督だから、僕の方が作りたいものをすぐ作れる有利な状況にあるけどね(笑)。

──ディカプリオは『シャッター アイランド』(10)でも複数の人格を持つ人物を演じていました。

そういえばそうだ。『シャッター アイランド』の原作は、僕も大好きだったな。