Sep 30, 2021 interview

主人公の無音の世界に引き込まれる 映画『サウンド・オブ・メタル』映画館で体感できる“特別な聴覚体験”

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『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』上映劇場からのコメント

3つの質問にコメントをいただきました
A: 本作を上映しようと思った理由
B: 本作の見どころ、おすすめするポイント
C: 作上映にあたって、劇場の音響面の特徴

アップリンク吉祥寺/京都
A: アカデミー音響賞を受賞し、監督は観客にスクリーンで鑑賞してもらうことを望んでいました。ミニシアターならではの親密な劇場空間と極上のサウンドシステムで体感してもらいたい。その精密にデザインされた音の細部を堪能してもらいたいと思ったからです。

B: 音が聴こえなくなる状態を再現し観客に疑似体験させることに成功している。そしてそれは映画館でこそリアルに体感することができると思います。聴こえなくなったら、世界はどうなるのか?静寂は無ではない。その答えを映画は獲得し新しいフェーズへと突入します。

C: アップリンクは田口音響研究所の平面スピーカーを使用した世界初の映画館で、録音された音源を平面波により位相が狂わず正確に再現するという音響特性を持っています。本作が観客に伝えたかった音の「カタチ」を最大限に引き出すことができます。

シネマート新宿
A: 今年の7月に当館で新規導入した【ブーストサウンド】上映のお披露目も兼ねた特集上映実施後に、お客様より、当館のブーストサウンドでぜひ、上映して欲しい作品があると言われ、この作品を提案されたことが最初のきっかけです。我々もブーストサウンドをより活かした作品を探しているところだったので、実際に配信で拝見したところ、まさに劇場の音響環境でご覧頂くことが作品にとっても良いことだと確信し、打診ところを探っていた際中に東京テアトル様の編成の方より、配給会社様へ「音にこだわる映画館」として当館を推薦して頂いたことにより、上映できる運びとなりました。

B: 冒頭のライヴシーン。重低音出力、高音域ともにあたかもスクリーンの舞台上で演奏をしているかのような感覚に陥り、瞬時に作品への没入音響体験となること、間違いなし。主人公が突如、難聴になってしまう時の空間が歪むような、水中に潜ってしまったような感覚を重低音出力と高彩度な音響効果により、リアルな疑似体験を体感することが可能。人口内耳によって聴こえてくる、ノイズの混ざった環境音、歌声、話し声などの歪みを体感できると共に、静けさの持つ優しさにも触れて欲しいと思います。

C: 通常のシネマのスピーカー以外に、スクリーンの壇上に設置されたコンサートホールやスタジアムなどで使用される【JBL-ASB6118】4台から放たれる、重低音出力により通常の上映では、味わうことのできない、迫力のサウンドと最新機種プロッセッサー「DOLBY社製CP950」による高解像度の音像も加わり、立体的な音響空間を体感することが可能。作品の持つポテンシャルを最大限に引き出した高純度な上映を味わって欲しいと思います。

シネマート心斎橋
A: 本年度アカデミー賞作品賞などにノミネートされていたため、配信で視聴。その後、劇場公開のニュースを知り、「音」が非常に重要な要素なので多くの人に映画館の音響でこの映画を体感してほしいと考えたため。

B: 主演のリズ・アーメッドの聴力を失っていく過程の演技が素晴らしい。彼の演技を通して我々は「聴こえる」から「聴こえない」への過程を疑似体験することができる。

C: 映画館の音響は、サウンドを聞きやすい設定にして、映画を楽しんでいただいています。当館のboidsound上映は、新たに音響システムを導入したり特別なサブウーファーを使用するのではなく、あくまでも既存の音響システムを利用して、作品に合った音域をより聞こえやすくして上映しています。できる限り音量も上げ、爆音映画祭のサウンド調整チームが作品ごとに時間をかけて調整しています。

立川シネマシティ
A: アカデミー賞音響賞受賞作品になって、劇場公開ができるようになった暁にはぜひかけたいと考えていた作品でした。配信で見た若いスタッフからの強いリコメンドもありました。

B: どうやってこのサウンドデザインはつくられたのか?これからご覧になる方は誰もがそう思われるはずです。そこを強く意識しながらご覧になると主人公ルーベンにより強く感情移入ができるはずです。

C: 「サウンド・オブ・メタル」は冒頭にものすごく大きな音が入っています。しかしそこに物を言わせるつくりの作品ではありません。劇場の音響面もシステム改修や数々の作品を鳴らしてきた過程を経てお客様と共に音場が完成しております。お客様が想像する部分も含めて主人公ルーベンのこれまでのこれからの過程をつくられた通りの正しい表現で聞くことができたと言っていただけたら、こんなにうれしいことはありません。

横須賀HUMAXシネマズ
A: アカデミー賞にノミネートされたときから本作が気になっていて、劇場公開されると聞いて是非上映したいと思いました。

B: 主人公の身体が憑依したかと思わせる音響を是非体験していただきたいです。聴こえなくなったときに研ぎ澄まされる感覚があるのだなと、短い時間ながら感じました。

C: d&b audiotechnikのハイエンド・ハイスペックラウドスピーカーを導入しているのが当劇場のMovive theaterです。細部の音まで鮮明に聴こえ、これまで以上の没入感を映画館で体験していただけます。

作品情報
映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』

突如難聴になったドラマーのルーベンは、一緒にバンドを組む恋人ルーに難聴者のコミュニティに連れていかれる。難聴であることをハンディとして捉えていなコミュニティの人々と過ごしながらも、その現実を受け入れることの難しさに直面するルーベンは、自分の人生を前に進めるために、ある決断をする・・・。人生の挫折・再生を描きながら、その主人公の人生を疑似体験できる秀逸な感動作。

監督・脚本:ダリウス・マーダー

音楽:ニコラス・ベッカー、エイブラハム・マーダー

出演:リズ・アーメッド、オリヴィア・クック、ポール・レイシー、マチュー・アマルリック、ローレン・リドロフ

配給:カルチャヴィル × Filmarks×GEM Partners

©️2020 Sound Metal, LLC. All Rights Reserved.

2021年10月1日(金) 劇場公開

公式サイト culture-ville.jp/soundofmetal