Sep 18, 2021 interview

ドラマ『死神さん』の田中圭は14年前のオーディションの続き !? 堤幸彦監督が語る前田敦子ら俳優たちに寄せる信頼と配信ドラマの可能性

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打てば響く最終兵器・前田敦子

――儀藤に協力する連絡係・南川メイを演じるのが前田敦子さん。堤作品に登場する前田さんは、『イニシエーション・ラブ』をはじめ、他にはない可愛さと弾けた演技で楽しませてくれますね。

『フライングゲット』というAKB48のPVの時に、ちょっとしたお芝居をやってもらったのですが、意志が強い女を演じると凄いというのはその時から見えていました。特に『イニシエーション・ラブ』は、男が一番ビビる部分を演ってもらいましたが、これは最大の最終兵器だなと彼女を見るたびにいつも思っていて。特に今回は・・・これは言っちゃだめなのか。とにかく面白い存在なんですよ(笑)。

――急にドスの効いた声を出したり、前田さんは次の瞬間にどんな顔と声を見せてくれるか予想がつかないところが良いですね。

いやあ、もう助かっていますよ。彼女も、演出家がむちゃぶりしてくる意味みたいなものをきちんと汲み取ってくれますからね。当意即妙、打てば響く。コントをたくさんやってきたことがあるような、あるいは小劇場でずっと実験的なものを作り出していたんじゃないかと思えるぐらいですね。

――では、田中さんと前田さんのシーンは全幅の信頼をおいて演出できたのでは?

その場で「これはこうしましょう」と言うと、2人とも、あーはいはいと直ぐ分かってくれる。それは支えてくれる周りの皆さん、小手伸也さんにしろ蓮佛美沙子さんにしろ、もう本当に勘のいい皆さんなのでめちゃくちゃ面白かったです。

――小手さんとは初めてですね。とても、そうは思えないほど堤ワールドになじんでおられましたが。

初めてお会いしたんですが、演っていただいてよかったと思いました。思っていたとおりの慌てっぷりを演じてくれましたね。あれは日本の刑事ドラマでは絶対に必要な芝居ですから(笑)。

――蓮佛さんも堤作品は『エイトレンジャー』以来、久しぶりの参加ですね。

怒鳴りっぷりが気持ちいいんですよね。ちょっと下町感のあるドスがとても良い。それが本当に怖いわけではなくて、非常に良い人なんだけど強いっていうね。

――監督の作品に出る女優さんは、優しい声もドスが効いた声も全部出来ないとこなせませんね。

怒ってなんぼですから(笑)。