May 31, 2023 interview

「サンクチュアリ -聖域-」本当の裏側と真のエンディング 一ノ瀬ワタル×ピエール瀧 インタビュー

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相撲という特殊なアクション

ーー アクションシーンもすごかったですね。スローになっているシーンではより躍動感が伝わってきました。あれって本気で当てているんですよね?

一ノ瀬 そうですね。相撲の取り組みシーンはアクションとして撮れないところが多く、ガチでぶつかることも多いですから、時間をかけて稽古し、ある程度相撲ができるレベルまで上げてもらったって感じです。

ピエール スーパースローになっているから、当たって肉が動いているけど、あれが実際のスピードでどれくらいの強さで当ってるのかな、っていうのは観てる人はなかなかね、まぁ説明しづらいところだけど。でも、まぁまぁ当ててるよね?(笑)

一ノ瀬 そうなんすよ、まぁまぁ当ててます(笑)。でも、何回も稽古やリハーサルを重ねていますから!

ピエール だよね。

一ノ瀬 静内との取り組みシーンもスーパースローがあるじゃないですか、体重が200kg以上あるからゆっくり動いてもやっぱり重いし衝撃はかなりありましたね。

ーー 演じられていて、相撲は特殊だなって思うことはありましたか?

一ノ瀬 そうですね。普通のスポーツとはちょっと違うなっていう。

ピエール ものすごくシンプルじゃないですか、相撲って。シンプルが故の奥深さというか‥‥それはフィジカルな部分が大きい。というかそこが突出している(笑)。じゃないと上に行けない。スキルよりもフィジカルが勝つ現場ってあんまりないじゃないですか。

一ノ瀬 (笑)。

ピエール だいたいスキルでカバーできる。もちろん相撲もそうですけど、やっぱり一口に競技スポーツといっていいのか、難しいところはあります。フィジカルが、”これだけ強ぇって、すげえな”って感じがしますもんね。

一ノ瀬 いやぁ、確かに。

ーー おふたりのおかげで、エピソードを重ねていくと、その感覚が分かってくる訳ですよ。多くの視聴者が相撲という概念が変わっただろうなって思っています。

一ノ瀬 それは、嬉しいですね。

ピエール まぁね、あの相撲部屋の内側ってあんまり観ることができないじゃないですか。相撲部屋へTV番組が取材に行って、ちゃんこを食べてるとか、朝一で四股踏んでるっていうのはあるけど、弟子の子たちの部屋とか、ね(笑)。

一ノ瀬 あぁそうっすね(笑)。

ピエール ”あ、その感じなのね、個室じゃねぇじゃん”とか。そういうのを含めて、まぁまぁの衝撃ですよね。いまのご時世から考えると、”考えらんないわ”っていう話だと思うから、特殊で独特ですよね。やれ!って言われたら嫌ですもん、俺(笑)。

一ノ瀬 いやぁ、大部屋で生活するのきついっすね(笑)。

ピエール いやでしょ? 

一ノ瀬 兄弟子たちに気を使いながら‥‥

ピエール 口答えは許さんからさ。

一ノ瀬 いやぁ、本当に。番付上がるしかないですからね。

ーー 最後に、これから「サンクチュアリ -聖域-」を観る方に、向けてメッセージをお願いします。

一ノ瀬 王道なストーリーなんですけど、魂が震えるというか。最高な作品になっています。できれば一気に全部観てほしいんですけど、まずは1話だけでもいいからちょっと観てほしいです。絶対面白いっていう自信があるので。ぜひご覧ください!

ピエール 1話を観る段階って、相撲部屋の外にいる段階ですから、1話を観るってことは部屋の扉をガラガラって開けるってことだと思うんですよね。1回、部屋の中に入っちゃったら、見るところがたくさんある。

初めて観るものでも新たな発見があると思います。特に日本人でしたら、初めて見るのに、なんか知ってる感じがするものがある。しきたりにしろ、仕草にしろ、人と人との関係性にしろなんか知ってる、なんでだろう?って思うものがある。

2回目は2回目で新たな発見があると思うので、観た人は初めての人を誘って一緒に観るといいかもしれない。

一ノ瀬 ああ、確かにそうですね。

ピエール 僕もこれ何回か観てるんですけど、助監督とかその周辺の人たちの仕事が素晴らしいんです。

一ノ瀬 いやぁ、ほんとに。

ピエール 酒場のお客さんにしろ、市井の人にしろ、ものすごくナチュラルにできてるんですよね。いつもいる空間っぽいところ、っていう雰囲気がちゃんと出来上がっている。そういうところを含めて、ぜひ観てほしいなという気がしますね。


取材・文・構成 / 小倉靖史
撮影 / 藤本礼奈

作品情報
「サンクチュアリ -聖域-」

借金・暴力・家庭崩壊…と人生崖っぷちで荒くれ者の主人公・小瀬清が、若手力士“猿桜”として大相撲界でのし上がろうとする姿を、痛快かつ骨太に描く人間ドラマ。猿桜を筆頭に、相撲愛に溢れながらも体格に恵まれない清水や、相撲番に左遷された新聞記者・国嶋ら、ドン底でもがく若者たちの“番狂わせ”がはじまる。

監督:江口カン

出演:一ノ瀬ワタル、染谷将太、忽那汐里、田口トモロヲ、きたろう、毎熊克哉、住洋樹、佳久創、戌井昭人、おむすび、寺本莉緒、安藤聖、金子大地、仙道敦子、澤田賢澄、石川修平、義江和也 、小林圭、めっちゃ、菊池宇晃、余 貴美子、岸谷五朗、中尾彬、笹野高史、松尾スズキ、小雪、ピエール瀧

Netflixで世界独占配信中

公式サイト netflix.com/jp/title/81144910