ハリウッド俳優と日本
――ブテラさんは、ニコラス・ケイジ主演、日本で撮影した『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』ではヒロインを務めています。スクラインさんも日米海戦を描いた『ミッドウェイ』に出演するなど日本にも詳しいと想像しています。日本の良さ、悪いところがあったら、教えていただけますか?
ブテラ 悪いところは浮かびませんね(笑)。私は数年前に映画のロケで来ましたし、ダンサーとしても来日しています。監督も、日本映画の影響を受けていると話されていますし、そこは間違いないと思います。
私自身は『獣兵衛忍風帖』(1993)、『AKIRA』(1988)、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)など日本のアニメを観て育ち、本当に大きな影響を受けています。これらは、子ども向けに作られたのではなく、物語やキャラクターのジレンマをうまく描くために、アニメーションという手法が使われている。それには「なるほど」と思いましたし、素晴らしいなと感じました。アメリカやフランスの監督たちも、影響を受けて、作品に盛り込んでいますね。
スクライン 私は日本に来るのは 2度目ですが、日本はもう十分だと思うくらい滞在してみたいと思っています。それくらい日本のことが大好きで、まだ私は日本に対してロマンチックな目線で見ているので、全てが紅色というか、全てがピンク色に美しく見えているという状態です。
私が住んでいるイギリスを始めとしたヨーロッパは、長い期間に戦争を続け、侵略を繰り返してきたこともあって、移民も多く、常にいろんな文化が混じり合っています。日本では、何世紀も同じ文化が続いてきたという歴史に対して、大きな敬意を払っています。
また、個人的には武術をやっていて、日本は武術の中心地でもありますので、そこから謙虚さ、自制心、規律を学びたいと思っていますし、自分の子供にも、武術を通して学んでいってほしいなと感じています。
それから、芸術、アニメ、漫画、和食にも素晴らしいがものがありますね。以前、大阪に滞在したことがあるのですが、それは東京とはまた違った素晴らしい体験でした。夢としては、日本の地方で数週間ちょっと過ごして、温泉に入って、お酒を味わってみたいとも思っています。ぜひ、また来たいですね。
取材・文 / 平辻哲也
撮影 / 岡本英理
『REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者』
舞台は、巨万の富と政治力、そして軍事力を持つ巨大帝国“マザー・ワールド”が支配する銀河。主人公・コラが住む衛星“ヴェルト”は、そんな“マザー・ワールド”の支配を受けない平和なコロニーだったが、ある日突然、彼らは侵略を開始する。コラは“ヴェルト”の人々を守るため“マザー・ワールド”に挑むことを決意し、共に戦う有能な戦士を探し始める。そして、それぞれ異なる世界から来たはみ出し者、反乱分子、農民、孤児らを集め、小さな戦士団を結成。衛星“ヴェルト”に帝国の脅威が迫る中、銀河の運命をかけた戦いの火蓋が切られる。
監督:ザック・スナイダー
出演:ソフィア・ブテラ、ジャイモン・フンスー、エド・スクライン、ペ・ドゥナ、レイ・フィッシャー、チャーリー・ハナム、アンソニー・ホプキンス
『REBEL MOON:パート1 炎の子』
2023年12月22日(金) Netflixにて世界独占配信
『REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者』
2024年4月19日(金) Netflixにて世界独占配信