Dec 22, 2023 interview

ザック・スナイダー監督 インタビュー 『REBEL MOON — パート1: 炎の子』原点回帰、映画青年の夢の続き

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R指定ディレクターズ・カットにも期待せよ

スナイダーにとって、この『REBEL MOON』は自身初の2部作。これまで『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)や『ウォッチメン』(2009)など、数々の作品でディレクターズ・カットを発表し、長時間のストーリーテリングを重視してきたが、最近は上映時間と物語の関係について「以前よりも少し敏感になってきた」という。「今回が2部作になったのは、実質4時間の映画を2つに分けたから」なのだと。

『パート2: 傷跡を刻む者』のあと、スナイダーとNetflixは2部作それぞれのディレクターズ・カットを配信する計画だ。いわく、現在のバージョンはあくまでも一般向けで、ディレクターズ・カットはオリジナルの構想が炸裂した「ハードなR指定」になるという。

「夏にリリース予定のディレクターズ・カットは、それぞれ1時間ずつ長い3時間の映画。暴力描写も性描写も激しい、オリジナルのアイデアに忠実なバージョンです。僕は最初からハードなR指定のSF映画にしたかったので、Netflixの提案を喜んで引き受けました。一般向けをつくるよう強要されたわけじゃないですよ(笑)。映画を2バージョン同時につくり、観客に異なる体験を提供できるのは、面白く、かつ賢明なやり方だと思います」

『REBEL MOON』は、この映画2部作とディレクターズ・カット以外にも、小説版やコミック、ゲーム、ポッドキャスト、アニメなど複数のプロジェクトが同時進行中(小説版『REBEL MOON パート1: 炎の子』は日本でも12月22日に竹書房より発売)。いよいよ、ここからザック・スナイダーによるまったく新たなユニバースが始動するのだ。

ちなみにスナイダーによれば、スピンオフ・シリーズ化の可能性が話し合われているのは、マザーワールド皇帝・バリサリウスの過去を描く前日譚。「なぜ彼は、宇宙のキング・ダディ・バッドガイになったのか(笑)。その背景にはナポレオン・ボナパルトからインスピレーションを受けた、移民から皇帝に成り上がるまでの物語があります」

取材・文 / 稲垣貴俊
撮影 / 岡本英理

主演のソフィア・ブテラと悪役のエド・スクラインのインタビューはコチラ

作品情報
『REBEL MOON:パート1 炎の子』
『REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者』

舞台は、巨万の富と政治力、そして軍事力を持つ巨大帝国“マザー・ワールド”が支配する銀河。主人公・コラが住む衛星“ヴェルト”は、そんな“マザー・ワールド”の支配を受けない平和なコロニーだったが、ある日突然、彼らは侵略を開始する。コラは“ヴェルト”の人々を守るため“マザー・ワールド”に挑むことを決意し、共に戦う有能な戦士を探し始める。そして、それぞれ異なる世界から来たはみ出し者、反乱分子、農民、孤児らを集め、小さな戦士団を結成。衛星“ヴェルト”に帝国の脅威が迫る中、銀河の運命をかけた戦いの火蓋が切られる。

監督:ザック・スナイダー

出演:ソフィア・ブテラ、ジャイモン・フンスー、エド・スクライン、ペ・ドゥナ、レイ・フィッシャー、チャーリー・ハナム、アンソニー・ホプキンス

『REBEL MOON:パート1 炎の子』 
2023年12月22日(金) Netflixにて世界独占配信
『REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者』 

2024年4月19日(金) Netflixにて世界独占配信

公式サイト netflix.com/title/81464239