Jul 22, 2023 interview

永野芽郁×工藤阿須加×中川大志インタビュー 悪人なき復讐劇に秘めた想い「御手洗家、炎上する」

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女性の強さとは?

ーー永野さんと鈴木京香さんのバトルを観ていて、すごくドキドキしました。おふたりがやり合うシーンは、どんな気持ちで撮影に臨まれたんですか?

永野 カメラが回ったら、京香さんが一瞬で真希子さんに切り替わるものだから、なんか吸い込まれちゃいそうでした。圧だけで潰されちゃいそうなぐらいなオーラを放って現場にいらっしゃったので「負けないようにしなきゃ」と緊張感を持ちながらやっていました。

ーー永野さんが演じられた杏子、京香さんの演じられた真希子だけでなく、全体的に女性の強さとかしたたかさがふんだんに描かれていました。男性陣のおふたりが、女性って強いなと思うところ教えてください。

工藤 この作品に限らず、昔から女性は圧倒的に男性より強いと思っているんですよ。

いざ何かあったときの腹のくくり方もそうですし、誰かを守るときも男性より女性の方が強い意志があってブレないですよね。僕、妹が3人いて、母を合わせると4人の女性に囲まれていたので、そういった強さをずっと身近で感じていました。

この作品においても、希一がブレたりときや、窮地に追い込まれたときに、手を差し伸べてくれるのは、やっぱり杏子ですし、杏子も崩れかけても踏み止まる意思の強さがある。お芝居させてもらいながらもそう感じていましたね。

ーー中川さんは女性に振り回されることが多い役どころでしたが、どういったところが女性は強いと思いますか?

中川 工藤さんのおっしゃるとおりだと思います。あとは別の角度からの話になるんですけど、痛みに強いですよね。女性って。

永野 あぁ、そうかも。

ーー物理的な痛さですか?

中川 そう。僕、痛いのすごく苦手で、歯医者さんとか。

工藤 じゃあ、なんでキックボクシングジムに通ってるんだよ〜(笑)。

ーーそれは大丈夫なんですか?

中川 それはまたちょっと違うんです (笑) 。もう出産とかってなったら、僕には絶対経験できないし、想像し得ない痛みですよね。

ーーたしかに(笑)。では、強い女性を演じた永野さんはいかがですか?

永野 杏子ほどの強さを持った人は、なかなかいないだろうなとは思います。だけど自分の母を見ていたり、仕事をしている女性たちの話を聞いたりしても、何かあったときに自分で立ち直る強さみたいなのは、それぞれ持っているっていう印象があります。もちろん男性もそうだと思いますが、やっぱり自分は「女性でよかったな」って思う瞬間がいっぱいあります。

ーーこのドラマの中で特にそう思ったシーンはありますか?

永野 このドラマは、女性が女性に立ち向かっていく姿がメインで物語が動いていくので「女性の頭の回転の速さをすごく描いているなぁ」と思いました。

辛い経験を味わわされた人を前にして笑顔でいられる強さというか、したたかさは、「この状況で笑えるか?」って自分で演じていながら思いましたね。男女ともに、強い人はやっぱりかっこいいですよね。

取材・文 / 小倉靖史
撮影 / 岡本英理

作品情報
Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」

ごうごうと真っ赤な炎に焼かれる我が家=御手洗家の邸宅を、呆然と見守る少女・杏子。出火原因を作ってしまった母・皐月は、杏子と妹の柚子を連れ、大病院の医院長である夫・治と離婚。その後、全生活史健忘症(記憶喪失)に侵された。13年後、杏子は、偽名を使い、家事代行業者として御手洗家に潜り込む。雇い主は、父・治の再婚相手=御手洗真希子。新たな御手洗家で何不自由ない生活を送る真希子は、美しくも傲慢なセレブ妻になっていた。実は真希子は、かつての皐月のママ友。毎日の生活の苦しさからリッチで優雅な皐月に強い憧れの念を抱いていた。だが幼い杏子は、あの火事の日、燃え上がる我が家を取り巻く野次馬の中に、喜びをほほに浮かべる真希子の姿を見た。真希子こそ火事の真犯人だと確信した杏子は、自分たち家族を崩壊させた真希子への復讐を決意する。

監督:平川雄一朗

出演:永野芽郁 、工藤阿須加、中川大志、恒松祐里、北乃きい、濱田マリ、小西桜子、吉瀬美智子、及川光博、鈴木京香 

原作:藤沢もやし『御手洗家、炎上する』(講談社「KissKC」所載) 

Netflixにて世界独占配信中

公式サイト https://www.netflix.com/