同世代のキャラクターへの共感
ーー安達さんが仰ったように、演じた役と皆さん同世代だと思います。それぞれ演じられたキャラクターに共感できる部分、個人的に刺さった部分などありますか?
渡邊 仁って、ものすごく気を遣うんですよ。でも気を遣ったことによって溢れ出てしまうものがあって、そういう部分が自分と割と似てるな、と思いました。
気を遣いすぎると割りを食うじゃないですか。でもそういうのって、仁に限らず、みんなが感じているところだろうし、そういうところがうまく表現されているなと思っているので、観た人も「そうなんだよなぁ」って、頷きながら観られると思います。
倉科 猫好きっていうのも共感できますし。鹿乃子さんって原作でも名言が多いタイプなんですよ。
ーーそうですね。なんかボソッと。
安達 詩人のような‥‥。
倉科 そう! 詩人のような言葉。精神科医っていう職業もあるのかもしれないですけど、一歩引いたところでとても理性的なんですよね。でも心はすごく動いている。理性を鎧にして感情をカバーしているような感じなんです。
人と距離を詰めるのが苦手なタイプでもあるし、だからこそ人より熟成しているようなところがある。でも子供っぽかったりとか部屋が汚かったり欠落しているところがあるんですよ。「ちょっと似てるな」って思う部分もあって(笑)。
ーー具体的にどこが似ていると思いますか?
倉科 え、全体的に(笑)。仕事だと、こんなに陽気ですけど、普段結構淡々としゃべるし、
こんなに陽気じゃないから、すごい作ってるから!
一同 (笑)。
安達 やだ、ちょっと、じゃぁ素を見ていないじゃん(笑)。
倉科 実は私そんな感じです(笑)。
ーー安達さんはいかがですか。
安達 灯ちゃんは書店員だし、とても言葉を大切にする人だと思っていて。鹿乃子さんと仁と3人で話す時も、自分の気持ちに一番近いフィットする言葉を選んで喋っているっていう感じがするんです。私も職業柄、取材の時なんかは、思っている事が違う意味に伝わらない様に、自分の気持ちに一番合っている言葉をチョイスしながら喋るということを無意識にやっています。言葉を紡ぎ出すのに、ちょっと時間がかかるとか、そういう細かいところも「なんか分かる」と思いながら演じていました。