Apr 29, 2019 interview

ライアン・レイノルズ、可愛すぎるオッサンもふもふピカチュウ誕生の裏側、“感情移入”したテーマを語る

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大人にも観てほしい、感情移入して演じた“父子関係”

――客観的に『名探偵ピカチュウ』が大人にアピールするのは、どこだと思いますか?

世界では今、悲しい事件や、つらいニュースが多く流れている中で、この映画はいいタイミングで公開されると思う。美しいストーリーだし、世界中の人が共感できるテーマが込められているからね。

――最も普遍的なテーマは何でしょう。

僕が惹かれたのは父と息子の関係だ。ティム(ジャスティス・スミス)が父を探して、それをピカチュウが助ける。ピカチュウは、ティムにとって代理の父親のような存在にもなるし、そういう気持ちが表されるセリフには、僕も感情移入して演じることができた。多くの人がそうかもしれないが、僕自身、父親との関係は複雑だった。僕が『フィールド・オブ・ドリームス』(89年)に自分の父子関係を重ね合わせたように、多くの人に『名探偵ピカチュウ』を受け止めてもらいたいな。

――続編の可能性もささやかれていますが……。

いくつかアイデアはあるみたいだけど、どうなるかな。今回の映画で最高のアイデアが使われたようなので、これからまた新しいアイデアが作られるのかもしれないね。

取材・文/斉藤博昭
撮影/三橋優美子

プロフィール
ライアン・レイノルズ

1976年、バンクーバー出身。カナダで俳優デビュー後、活動の場をアメリカに移し、TVシリーズ「ふたりの男とひとりの女」(98~01年)で人気を集める。主な映画出演作に、『ブレイド3』(04年)、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(09年)、『[リミット]』(10年)、『グリーン・ランタン』(11年)、『デンジャラス・ラン』(12年)、『デッドプール』(16・18年)など。待機作に、マイケル・ベイとタッグを組む『6 Underground』(19年/Netflix)がある。

作品情報
『名探偵ピカチュウ』

かつてポケモン好きだったティム(ジャスティス・スミス)は、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、戻らなかった父ハリーとポケモンを遠ざけるように。それから年月が経ち、ティムのもとにある日、ヨシダ警部補(渡辺謙)から電話がかかってくる。「お父さんが事故で亡くなった」――。複雑な想いのまま、ティムは人間とポケモンが共存するライムシティへ向かう。荷物整理のため、ハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す名探偵ピカチュウ(ライアン・レイノルズ)だった。かつてハリーの相棒だったというピカチュウは、記憶を失っていたが、ひとつだけ確信を持っていることがあった――「ハリーはまだ生きている」。ハリーは何故、姿を消したのか? ライムシティで起こる事件の謎とは? 二人の新コンビが大事件に立ち向かう!
監督・脚本:ロブ・レターマン
脚本:ニコール・パールマン
出演:ライアン・レイノルズ、ジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートン、渡辺謙、ビル・ナイ、リタ・オラ、スキ・ウォーターハウス
日本語吹替:竹内涼真、飯豊まりえ
配給:東宝
2019年5月3日(金)公開
© 2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
© 2019 Pokémon.
公式サイト:https://meitantei-pikachu.jp/

ライアン・レイノルズさんが好きな映画

『チャンス』ハル・アシュビー監督/1979年
『帰郷』(78年)でアカデミー賞監督賞にノミネートされたハル・アシュビー監督作。ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」をベースにしたコメディで、主演のピーター・セラーズは本作でゴールデングローブ賞ミュージカル/コメディ部門の主演男優賞に輝いた。
 
『用心棒』黒澤明監督/1961年
『羅生門』(50年)で日本映画として初めてヴェネツィア映画祭金獅子賞(最高賞)、アカデミー賞名誉賞(現・外国語映画賞)を受賞した黒澤明監督作。1964年にはセルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッドの主演でマカロニウエスタン『荒野の用心棒』が製作された。