Nov 19, 2016 interview

声優・山寺宏一が高垣彩陽・寿美菜子と重婚しちゃった!?

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ラフィングライブ第2回公演「Run for Your Wife」出演者インタビュー前編

2015年4月に旗揚げ公演「パパ、アイ・ラブ・ユー!」を成功させた演劇ユニット「ラフィングライブ」がこの11月に活動再開!! そこで、第二回公演「Run for Your Wife」に向けた意気込みを、本作に出演する声優・山寺宏一さん、水島裕さん、高垣彩陽さん、寿美菜子さんに聞いてきました!

 

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当代人気声優たちがイギリスの名作喜劇に挑戦!

まずは今回のお芝居「Run for Your Wife」について教えてください。どんな内容の作品なんでしょうか?

山寺さん 「Run for Your Wife」は、イギリスのレイ・クーニーという喜劇作家が描いた名作コメディ。平凡に見える男が実は重婚していて、それを何とかごまかそうとするお話ですね。2つの家庭を行ったり来たりしつつ、水島さん演じるスタンリーという友人や、捜査に来た警部たちを巻き込んでのドタバタになる……とにかく笑える“ド喜劇”です。

──皆さんが演じる役どころを教えてください。

山寺さん 平凡そうな男なのになぜか重婚しちゃっているというタクシードライバー、ジョン・スミスを演じます。

水島さん ひどいでしょう? 「重婚」ですからね? 「浮気」じゃないですからね?   で、私の演じるスタンリーは、そんなとんでもないスミスに巻き込まれる気の毒なおじさんです。

山寺さん いや、でもスタンリーもロクでもない男ですからね!

水島さん うん、仕事してないしね(笑)。それで、同じアパートの下に住んでいるスミスにお金を借りているんです。

──スタンリーが住んでいるのは、どちらの奥さんと住んでいる部屋なんですか?

 

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高垣さん 私です。私の演じるメアリー・スミスは、良妻賢母な慎ましい奥さんなんですが、ジョンの悪友であるスタンリーについてはあんまり快く思ってなくて、まぁ、“ゴクツブシ”だなぁ、と(笑)。ただ夫を心の底から尊敬し、愛しているので、仕方なく見守っているところがあります。

水島さん すみませんねぇ~、ゴクツブシで!

──寿さん演じる、もう一人の奥さん、バーバラ・スミスはどういった女性なのでしょうか?

 

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寿さん 彼のタクシーに乗ったことで関係が始まり、そこから結婚まで発展させてしまうくらいの、とても情熱的な女性です。彼女は彼女で「私だけのジョン!」と彼を真剣に愛しています。これは完全に私の妄想なんですが、きっとタクシーに乗る直前に失恋していたんじゃないかな、と。それをジョンになぐさめられて恋に落ちたんだと思っています。

──なるほど~。……対するメアリーはジョンのどこが好きなんだと思いますか。

高垣さん ジョン・スミスって、役所の記入例に使われるような、とても平凡な名前。そして、彼もまさに普通の旦那さんなんです。変にスレたり、ひねくれたりしていない、そういうところに安心を感じて好きになったんじゃないかなと思っています。……ちなみに、結婚したのは私の方が先なんですよ(笑)。

山寺さん 重婚していると聞くとなんて酷いヤツなんだと思われてしまいそうなんですが、ジョンは決してプレイボーイというわけではありません。2人以外のあっちこっちに手を出しているような男ではないんです。ジョンはちゃんと2人のことを真剣に愛しているんです。逆にそうでなければ、2人も彼を好きにはならなかったでしょう。

(高垣さん、寿さん、深々と頷く)

山寺さん ジョンはどちらかというと不器用で、木訥。そんな男が重婚なんて大それたことをしてしまうから、それをごまかそうと色々な嘘をついて、それで大変なことになっていってしまうんです。

──ジョンは女性を騙すズルい男というわけではないんですね。

山寺さん いや、やってること自体は結果的にズルいんですけどね。ごまかすためにスタンリーに全部押しつけたりしますし(笑)。

水島さん ホント、ヒドいよね!山ちゃんは(笑)。でも一番の被害者はやっぱり、2人の奥さんですよ(笑)。

 

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信頼できる役者を集めたら、たまたま声優が多かっただけ

──では続いて、今回の公演を主催する「ラフィングライブ」について教えてください。

山寺さん 「ラフィングライブ」は、演出家の野坂実さんと(水島)裕さん、そして私の3人で立ち上げたコメディ専門の演劇ユニットです。1年半前に、今回と同じくレイ・クーニー作の「パパ、アイ・ラブ・ユー!」という作品で旗揚げ公演を行ない、今回が2回目の公演となります。

──キャストはほぼ声優で固められていますが、それは“狙った”ことなんですか?

山寺さん 役にピッタリの、自分たちの大好きな人にお願いしていったら、自然と、ふだん一緒にお仕事をしている声優さんで占められてしまったというだけです。横田健介君のような演劇中心の役者も参加していますよ。

水島さん 「パパ、アイ・ラブ・ユー!」では、3人で脚本を読んで、この役は誰のイメージだろうって話あって、「(大塚)明夫ちゃんじゃない?」ってなったら、その場ですぐに電話してOKをもらって、キャスティングしていきました(笑)。今回もそれと同じです。

──高垣さん、寿さんは声をかけられてどう感じられましたか?

寿さん とにかく光栄でしたね。実は第1回公演を彩陽と一緒に観に行ってたんです。そのとき、この座組みでお芝居できたらすごく楽しそうだなぁと思っていたんですよ。だからオファーがあった時は本当にうれしかったです。同時にものすごいプレッシャーも感じましたけれど(笑)。

高垣さん 実は私、美菜子ちゃんと「パパ、アイ・ラブ・ユー!」を観に行った日の日記に、「いつか、このユニットに呼ばれたい」って書いていたんです。それがまさかこんなに早く実現するとは……。しかも、本当に偶然なんですが、今回のお話をいただく前に別の劇団が演じた「Run for Your Wife」を観ていて……あの役を私が? って、正直手が震えました。でも、この布陣でこの演目をやるって、面白くならないわけがないじゃないですか。そこに自分が参加できるということを素直に喜びたいです。

水島さん 実は今日が第1回目の脚本読みだったんですが、既にとても面白い。2人ともガンガンきていましたよ(笑)。

──なんと、今日が初めての読み合わせだったんですね。そのあたり、皆さんの感想をいただけますか?

山寺さん 分かってはいましたが、これは大変な芝居だぞ、と。あまりに仕掛けが多い。会話劇だし、決められた段取りも多いし……大変なものを選んでしまったなと改めて認識しました。誰がどういう嘘をついて、それがどういうトラブルを引き起こしていくのかをきちんとお客さんに伝えないといけないので、漫然と演じていてはダメなんです。

──山寺さんほどのキャリアと実力がある方でもそう思わされるんですか?

山寺さん お恥ずかしい話、実はこの脚本を読んだとき、前回の「パパ、アイ・ラブ・ユー!」ほど、ドッカンドッカン来る芝居ではないと思っていたんです。でも、翻訳の小田島雄志が、本国では爆笑の連続で9年間のロングランになったと教えてくれて……。ああ、自分はまだこの作品の本当の面白さをつかめていないんだなと猛省しました。

水島さん まぁ、でもこればっかりは実際に舞台で動いてみないと分からないよね。舞台自体にびっくりするような仕掛けもあるので、読み合わせだけではつかみきれませんよ。ただ、段取りがすごく細かくて、適当にやって面白くなるものではないのは確か。だから、最初の段階で野坂さんから「アドリブは禁止です」って言われちゃいました。いや、アドリブはできないよね、緻密な脚本なので。

山寺さん うそうそ、今日既にやってたじゃないですか(笑)。

水島さん やってないって!(笑) それに、この芝居は忠実にやるのが一番面白いよ。

山寺さん 真面目な話、本当にその通り。とても完成度の高い脚本なので、その点にもご期待ください。

 

文:山下達也 / カメラ:田里弐裸衣

 

 

公演情報

 

公演日程:2016年11月30日(水)~12月4日(日)/全6回
会場:Zeppブルーシアター六本木
チケット料金:6800円(全席指定・税込)

 

関連リンク

 

ラフィングライブ第二回公演「Run for Your Wife」公演情報
http://www.nelke.co.jp/stage/laughinglive2/