初対面となったレコーディング秘話、孤独なボーカルブース
――曲を渡す時に秦さんから何かアドバイスされたんですか?
秦 それは全然なかったですね。
門脇 映画を撮り終えた後、主題歌用のレコーディングをする時に初めてお会いしました。
――そうだったんですね。小松さんと門脇さんは普段の活動の中でレコーディングをする機会はなかなかないと思いますが、映画を撮り終えた後のレコーディングということで歌い慣れた感覚もあったのでは?
門脇 実は、レコーディングは撮影から少し時間が空いてたんです。撮影で毎日歌っていた時の肉体と、時間が空いちゃった時の肉体の感じは違うので、実を言うと結構不安を抱えてのレコーディングでした。それこそ、先にレコーディングしてた菜奈ちゃんに連絡して、「秦さん、どうだった?」「めっちゃ優しかった!」みたいな(笑)。で、私も終わってから「秦さん、めっちゃ優しかった!」って連絡するっていう(笑)。
小松 ヘタクソだなって怒られるかと思ったんですよね(笑)。
秦 そんなことはしないですよ(笑)。
小松 秦さんって怒ったことあるんですか?
秦 ありますよ、ありますよ。
小松 ブチ切れたこととかは……?
秦 普段も全然ブチ切れたりしますよ(笑)。
小松 “普段も”って、絶対ウソ(笑)!
秦 いやいや、舌打ちしながら運転したりしますよ(笑)。現場でキレたりはしないですけどね。主に車の中でキレてます(笑)。
――レコーディング当日は、秦さんからお二人に歌のアドバイスもされたんですか?
秦 テクニカルなことというよりかは、楽しく歌って、楽しく帰ってほしいなと思っていました。
小松 優しい……(笑)。
秦 やっぱり沈んだ気持ちの歌は沈んじゃうので。気持ちと歌は直結しているというか。だから、切ない曲ではあるんですけど、声色は豊かに表現してほしいなと思ったんですよね。
――秦さん的には小松さんと門脇さんを“ホーム”に迎え入れるという感じですよね。
秦 そうですね。僕のほうがレコーディングには慣れてますし。あと、ボーカルブースって孤独なんですよ。
門脇 すごくわかります! ガラスの向こうでみんなが話してると、「あ、ダメだったのかな?」ってなるよね?
小松 なるなる。「悪口言われてるのかな?」とか(笑)。
門脇 そうそうそう(笑)!
小松 歌った後、「少々お待ちください」って言われるんですけど、その間はマイナスなことしか浮かばなくて(笑)。だから、なるべく見たくなくてカーテンを閉めてもらいました(笑)。
門脇 私もそうでした(笑)。
小松 でも、すごく貴重な体験をさせていただいたなって思います。