Jun 25, 2017 interview

ニルス、キシリア・ザビ、ミンキーモモ、アラレちゃん、その声はどのように作られたのか?声優・小山茉美ロングインタビュー前編

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小山

ミンキーモモが面白かったのは、変身して大人になれたので、小さくてかわいい女の子と、魅惑的な大人の女性を同時に演技できたこと。しかも、当時はフィルムだったので別録りせずに一緒に収録してたんですよ。そういう意味でもすごく楽しかった。お姫様だったり婦人警官だったり、ファッションモデルだったりいろんな職業に変身できたしね。何より勉強になりました。

平野

それもまた、演劇の基礎や、ミンキーモモの前にやっていたニルスやキシリア、アラレなんかの積み重ねがあったからよね。まさに当時の茉美ちゃんの集大成的なものだったのかも。

古川

それでアニメ誌「アニメージュ」の年間グランプリも獲ったしね。ちなみにその年は、僕も「The・かぼちゃワイン」(1982~1984年)の青葉春助役で男性部門グランプリを獲ったんだけど、茉美ちゃんはあまりに多忙で受賞式に出席できないほどだったんだよ。

 

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小山

その節は本当に失礼しました。でも生意気な話、当時大人気だったピンクレディーとスケジュール帳を比べてみたいって思いましたもん。本当に朝から夜中まで働きっぱなしで……。

古川

城達也さん(グレゴリー・ペックの吹き替えのほか、名ナレーターとしてアニメからバラエティ、ドキュメンタリーなどまで幅広い作品で活躍)と小山茉美さん、この2人が業界の稼ぎ頭でしたからね。このことは強調しておきたい(笑)。

小山

私も強調しておきたい。働き過ぎてたけど、稼いではいない!(笑)

古川

そんなに大忙しだったのに、いや、だからこそなのかな、ある時、仕事を全部ストップして海外に行っちゃうんですよね。

平野

あ、その話、気になってたのよね。聞きたい、聞きたい。

古川

それはまた次回に……。

構成・文 / 山下達也
撮影 / 吉井明

 

プロフィール

 

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小山茉美(こやままみ)

1955年愛知県生まれ。国際青年演劇センター名古屋スタジオ・劇団シアター・ウィークエンド第一期生。NHK少年ドラマ「キヨコは泣くもんか」(1973年制作)で女優としてデビュー。ラジオ局アニメ誌などの声優人気投票では1982年から3年連続各社グランプリを獲得。いわゆる声優ブームを築いた一人。現在番組ナレーターとしても活躍中。

著書『小山茉美の「日本神話イザナミ語り」』
全国書店及びネット書店で販売中
詳しくはこちら

 

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古川登志夫(ふるかわとしお)

7月16日生まれ、栃木県出身。青二プロダクション所属。1970年代から活躍を続け、クールな二枚目から三枚目まで幅広い役を演じこなす。出演している主なアニメーション作品には、TVシリーズ「機動戦士ガンダム」(カイ・シデン役 1979~80年 テレビ朝日)、映画・TVシリーズ「うる星やつら」(諸星あたる役 1981~86年 フジテレビ)、映画・TV「ドラゴンボール」シリーズ(ピッコロ役 1986~97年 フジテレビ)、映画・OVA・TVシリーズ「機動警察パトレイバー」(篠原遊馬役 1989~90年 日本テレビ)、映画・TV「ONE PIECE」(ポートガス・D・エース役 1999年~)など多数ある。

 

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平野文(ひらのふみ)

1955年東京生まれ。子役から深夜放送『走れ!歌謡曲』のDJを経て、’82年テレビアニメ『うる星やつら』のラム役で声優デビュー。アニメや洋画の吹き替え、テレビ『平成教育委員会』の出題ナレーションやリポーター、ドキュメンタリー番組のナレーション等幅広く活躍。’89年築地魚河岸三代目の小川貢一と見合い結婚。著書『お見合い相手は魚河岸のプリンス』はドラマ『魚河岸のプリンセス』(NHK)の原作にも。

 

 

関連書籍

 

『Dr.スランプ』 鳥山明/集英社

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