Feb 23, 2017 interview

中川大志×葉山奨之インタビュー「ただの胸キュン映画と思わず、弱さもすべてさらけ出すキラの人間臭さに注目して欲しい」

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監督と3人で納得いくまで話し合い、作り上げたシーンは1発OKでした(葉山)

 

──キラと矢部のエピソードがしっかりと描かれる後半も必見ですよね。

葉山 そうですね。後半には、矢部の過去もしっかりと描かれているんですよ。

中川 そうそう。キラと仲よくなるきっかけがすごくいいよね。

葉山 その矢部尽くしのシーンにも、ぜひ注目して見てもらいたいです(笑)。

中川 あとは、矢部が必死に走るシーンがすごくよかったよね。

葉山 走らされましたね~(笑)。

中川 結果的には少ししか使われていなかったけど、かなり走っていたよね?

葉山 うん。いろんなところを走らされた(笑)。でも、気持ちを入れながら走っていると、キラに対する思いがどんどん強くなっていって、最終的にはシーンとリンクして、キラに感情を爆発させることが出来たんです。結果としてすごくよかったなって思いました。

 

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中川 実はあのキラと矢部のシーンは、監督と3人でかなり意見をぶつけあったんですよ。

葉山 そうだったね。監督も作品をよくするためにいろいろ言ってくださったんですが、僕らが納得できないところもあって、納得できるまで話し合ったんです。そこでしっかりと意見をすり合わせたうえで本番に臨んだので、本番は一発OKだったんですよ。

中川  1時間くらい話したよね。さらに、映画ではカットされた、ふたりがもみ合いになるシーンがあったんです。そこはすごく大変だったんですが、完成したら“あのシーンはなくて正解だった”と思えたんです。こんな風に客観的に見えるようになったのも、新鮮でしたね。

葉山 たしかに、あのシーンがない方が、泣ける気がする。こういうことがあると、あらためてモノづくりの楽しさを実感できるんですよね。

 

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──今回、冒頭ではキラ君が感情を爆発させているシーンから始まりますが、どんなところに苦労しましたか?

中川 苦労ばっかりでしたね(笑)。今回ほど、映り方、見え方を意識したことがなかったんです。例えば、手を取るところや頭をポンポンするところ、抱きしめるところなど、ひとつひとつの動きをキレイにみせることをいつも以上に気を配ったんです。キュンキュンしてもらうためには、そこを意識しないといけないと思ったんですよね。

──キラ君は、絶対的にカッコいい存在でしたからね。

中川 そうなんです。その存在感を壊さないように泣いたり笑ったり怒ったりしないといけないのがすごく難しかったんです。

葉山 でも、こういう作品の主人公って、完璧な人が多いじゃないですか。でもキラはいい意味で弱い部分がたくさんあるんです。その弱い部分もちゃんと見せるから、よりカッコいいんだろうなと思いました。

中川 だからこそ、演じるのは本当に難しかったですね。だって、泣いたり怒ったりする感情を表に出す時って、今までは鼻水がでていようが、カッコ悪かろうが、人間だからいいだろうって思っていたんですよ。でも、本作ではキラとしてのカッコよさを守りつつ、泣いて感情を出さなくちゃいけなかったので、すごく難しくて…。

 

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──出来上がった時は、今まで以上に充実感があったのではないですか?

中川 そうですね。難しかった分、すごく勉強になったし、より役に感情移入することができました。