Aug 03, 2017 interview

山﨑賢人×伊勢谷友介、年齢差を超えたグレートな信頼関係

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原作を読み込んでおいて良かったと思いました(山﨑)

 

──“スタンド”と呼ばれる目には見えない超能力を使って戦うシーンは今作の見どころの一つだと思います。実際はCG処理されているものの、撮影現場では目に見えないものを相手にアクションをされていたんですよね。

伊勢谷 僕が戦ったのはアクア・ネックレスという水のスタンドなんですけど現場での指示も、ここから水が出て、ここから水蒸気が出てくるから、こう動いてくださいっていう感じなんですよ。実際そこに水はないから。なので、全ての動きとアクションをカウントを取りながら体に叩き込んでいくような感覚でしたね。山﨑くんはバッド・カンパニーとかと戦ったときはどうだったの? ミサイル打ち込まれたり、マシンガンで蜂の巣にされたりするのって大変じゃない?

 

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山﨑 ドンって殴られたり、銃で撃たれたりするのは大体こういうダメージを喰らうんだろうって想像がつくんですけど、マシンガンでダダダダって打ち込まれたらどうなるのか全くわからなくて悩んだりもしました。

伊勢谷 でもさ、この映画はとにかく原作第一で忠実に描いてくれてるから、バッド・カンパニーとの戦いを終えた後の仗助の決めゼリフも生きてたよね。

山﨑 原作を読んでいなかったらあの流れであぐらはかけなかったと思うので、自分なりに準備をしておけたのは良かったです。

伊勢谷 普通ならファイティングポーズ取るような流れになるかもしれないけど、そこであぐらをかいてキメるっていうのが“ジョジョだなー”ってテンションが上がる瞬間だよね。

──原作ファンの伊勢谷さんから太鼓判をいただいたということで、ますます公開が楽しみになった方も多いと思います。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』のリコメンドコメントを最後に頂戴できればと思います。

伊勢谷 幅広い年代の方に楽しんでいただける作品になっています。“スタンド”という誰も見たことのない超能力の映像表現は新鮮ですし、戦闘シーンはありますけど間違ったことを正したい、大事な人を守りたいっていうのが根底にある戦いなのでお子さんにも安心して観せられるのでは、と。映画全体を通してスッキリして爽快感だけでなく、ちょっとした不思議な世界に迷い込んだような気分も味わえると思えます。ぜひ劇場でジョジョの世界を味わって下さい。

山﨑 仗助は自分の正義を信じて、絶対に負けない、折れない心で戦っていくんです。その姿からダイヤモンドみたいに砕けない心を感じてもらって、観てくれた方がもっと強くなりたいと思うきっかけになれたらこれ以上うれしいことはないです。

──グレートな映画体験ができそうですか?

山﨑 はい! グレートなジョジョタイムを過ごしてください!

 

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──ありがとうございます。最後に、山﨑さん、伊勢谷さんのオススメの書籍や愛読書を伺えますか?

伊勢谷 僕は「愛と幻想のファシズム」

山﨑 それ、どんな本ですか?

伊勢谷 山﨑君も25歳になる前に絶対に読んだ方がいい。僕は25歳のときに読んで、あの本がきっかけでリバーズプロジェクトを始めたから。僕の中では「愛と幻想のファシズム」が全てに繋がっているんですよ。手に取った理由を覚えていないくらいの些細なきっかけなんだけど、1冊の本が人生観を変えてくれたんです。自分がやりたいことが何かを改めて感じさせてくれたし、空想の世界ではあったけど小説の中で一つの形にしてもらったことで、自分の未来に対して想像力が広がりました。

山﨑 僕は最近、もっぱらジョジョ漬けでした。仗助を演じるに当たってまずは4部から読み始めて、そこから1巻に戻ってずっと読んでいて。今は7部を読んでいるところです。「ジョジョの奇妙な冒険」ってとても長い作品ですけど、つねに進化し続けているし、人間の究極の形と、男心をくすぐる描写、スタンドの造形のユニークさやめまぐるしく変わる戦いの舞台など、巻を進めるごとに新しい発見があるんですよ。ページをめくるたびにおもしろいなーって思いながら読み進めています。伊勢谷さんのオススメ本もチェックします!

 

取材・文 / 加藤蛍
撮影 / 藤城貴則

 

 

プロフィール

 

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山﨑賢人

1994年9月7日生まれ、東京都出身。2010年ドラマ「熱海の捜査官」で俳優デビュー。「ヒロイン失格」や「orange」など数々の話題作に出演し、2016年に第39回日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得。その後も「四月は君の嘘」や舞台「里見八犬伝」など主演作品が続く。今後の公開待機作に「斎木楠雄のΨ難」(10月21日公開)、「氷菓」(11月3日公開)、「鋼と羊の森」(2018年公開)がある。

 

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伊勢谷友介

1976年5月29日生まれ、東京都出身。大学在学中の1996年にモデルとしての活動をスタート。以降、CMや雑誌、ファッションショーで活躍。1999年に『ワンダフルライフ』で映画初出演。2008年より「リバースプロジェクト」の活動をスタート。近年の出演作に「忍びの国」、「3月のライオン【後編】」、「ザ・テノール 真実の物語」などがある。公開待機作に「いぬやしき」(2018年公開)が控えている。

 

作品紹介

 

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映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』

美しい海辺の町・杜王町(もりおうちょう)に暮らす高校生の東方仗助(山﨑賢人)は、「スタンド」と呼ばれる特殊能力の持ち主。仗助のスタンドは、触れるだけで他人のケガや壊れたものを直すことができるというものだった。一見すると平和に見える杜王町では、このところ不審な変死事件が続発しており、一連の事件が自分とは別のスタンドを使う者たちによる犯行だと知った仗助は町を守るために立ち上がる。

原作:荒木飛呂彦(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:三池崇史
出演:山﨑賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、観月ありさ、國村隼、山田孝之、伊勢谷友介
配給:東宝/ワーナー・ブラザース映画
2017年8月4日(金)全国ロードショー
(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会
(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
公式サイト:jojo-movie.jp

 

 

 

原作紹介

 

『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』荒木飛呂彦/週刊少年ジャンプ

1987年より「週刊少年ジャンプ」にて連載がスタートし、現在も「ウルトラジャンプ」(集英社)で第8部が連載中。シリーズ累計発行部数1億部を超える日本を代表するコミック作品。連載30周年を迎えるジョジョイヤーである2017年に映画化されるのは高校生の東方仗助が主人公である第4部。宮城県仙台市がモデルであるM県S市杜王町を舞台に、仗助やその友人たちが様々なスタンド使いとの出会いや戦いを通じて町を守り、成長していく姿を描いている。

 

おススメ本紹介

 

「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン」荒木飛呂彦/集英社(全24巻)

19世紀末のアメリカを舞台に、太平洋サンディエゴ・ビーチからニューヨークへと続く6000kmにも及ぶ、過酷極まる北アメリカ大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」。稀代の興行師であるスティーブン・スティールの発案によって開催される人類史上初の乗馬による北米大陸横断レース。たった一頭の馬と、それを操る参加者たちは己の精神と知恵のみで未開の荒野を進まなければならない。世界中から名うての参加者がサンディエゴに集まる中、謎の鉄球を操る男、ジャイロ・ツェッペリと、下半身不随のジョニィ・ジョースターもそれぞれの目的を果たすためニューヨークを目指す。

 

「愛と幻想のファシズム」村上龍/講談社

カナダで狩猟をしていたトウジ(鈴原冬二)は、日本に帰国する直前にアラスカでゼロ(相田剣介)と出会う。トウジはゼロに誘われ、日本に帰国。世界が恐慌に向かい閉塞し混乱している矛盾だらけの日本社会を破壊し、“人間が狩猟生活をしていた頃の世界”を再構築すべく、トウジは独裁者としてのカリスマ的な力を発揮していく。政治結社「狩猟社」を結成すると、テロリストから高級官僚まであらゆる強力なシンパが集い、トウジの前に立ちはだかる敵対勢力(=獲物)を狩っていく。