Jan 07, 2023 interview

友近が語る 『嘘八百 なにわ夢の陣』の笑いの底にある真面目な芝居

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冴えない古美術商・小池則夫とうだつの上がらない陶芸家・野田佐輔が、だまし合いの大騒動を繰り広げるコメディ『嘘八百』シリーズの第3作。小池と野田の骨董コンビの前に、豊臣秀吉の茶碗「鳳凰」の話が舞い込んでくる。このお宝をめぐりさまざまな思惑が絡み合い、騙し合いの果てにコンビ解消の危機にまで発展する。

小池に中井貴一、野田に佐々木蔵之介をはじめとするおなじみのキャスト陣の他、さまざまな個性派俳優が勢揃い。監督は前2作と同じ武正晴が務める。

予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表の池ノ辺直子が映画大好きな業界の人たちと語り合う『映画は愛よ!』。今回は、『嘘八百』シリーズで野田の妻・康子を演じる友近さんに、本作品の魅力、撮影時のエピソードなどを伺いました。

まるで寄席に来たような楽しい現場で

池ノ辺 『嘘八百』(2018)、『嘘八百 京町ロワイヤル』(2020)に続いて、今回の『嘘八百 なにわ夢の陣』が第3弾ということですが、撮影はいかがでしたか。

友近 もう、1作目から皆さんめちゃくちゃ仲が良いんですよ。出てられる方がまた個性的で、しかも高齢の方が多いもんですから(笑)皆さん、立ち位置は間違えるわ、セリフは間違えるわ、出の時間もバラバラで(笑)。ですから全員が助け合いながらゆっくりやっていこか、という感じなんです。

もう今までに味わったことがないような楽しい空気感の現場で、今回も撮影に入るのが楽しみでしかたなかったです。私自身、おじ様が好きなので、もうハーレムでしたよ(笑)。

池ノ辺 最初にオファーがあった時はどう思いました? 旦那が佐々木蔵之介さんですよ。

友近 ありがたいことですよねえ。イメージした時にはピッタリの夫婦やなと思いました(笑)。

池ノ辺 映画の中では、夫婦漫才みたいないい感じのご夫婦でした。蔵之介さんと最初にお会いした印象はどうだったんですか。

友近 丁寧でとにかく背が高い方だなと、そこに驚きました。

池ノ辺 中井貴一さんも背が高いんですよね。

友近 そうなんです。それでお二人ともお笑いが好きで、私のコントなども見てくださっていたりして、ありがたいです。空気感もよく皆さんのその場のアイデアなど、どんどんでてきて、ちょっとコントを作っている感覚と似ていましたね。

池ノ辺 今回もずいぶんいろんな方たちが出演されてます。

友近 笹野高史さんは今作からなんですが面白かったですね〜というか、笹野さんと貴一さんの関係が本当に面白くて。笹野さんの方が先輩なんですけど貴一さんの方が常にコントロールしている感じで、笹野さんが暴走すると「おい、黙れよ」と貴一さんが止める(笑)。

言葉だけ聞くと乱暴ですけど、お互いの信頼関係があってのものなので、現場も和むし笑うし、寄席を見にきたみたいな2人の掛け合いですから、他では味わえないすごく得した気分でした。

池ノ辺 素敵な現場ですね。

友近 とにかく現場のオフの時の会話が皆さん面白くて、どうでもいいようなくだらない会話をずっとしているんですけど、それが私は好きで、このまま映画の中に入れてほしいというくらい。私もそこで聞いて笑ったり時には参加したりしてました。