アクションもダンスも、全ては感情を伝えるためにある
池ノ辺 この映画で監督が一番表現したかったのは、どんなところですか。
ラージャマウリ 私が演出していくそれぞれのシーン、演技、会話、アクション、そしてダンス、こうしたものは全て、何らかの感情を伝えるための手段と思っています。私自身は、感情を“ほのめかす”、というよりは直接的に強く表現したい、そういうスタイルですから、観ている皆さんにも大きな声で笑ったり、思いっきりドキドキワクワクしてほしい、そういったものをお届けしたいと思っています。
池ノ辺 最後に、監督にとって映画とは何ですか。
ラージャマウリ 私にとって映画は、人生そのものです。映画なしの人生というのは考えられないですね。呼吸をするような、あるいは食べたり飲んだり寝たり、そうした人間の基本的な欲求の延長にあるのが、自分にとっては、誰かにストーリーを伝えるということであり、誰かの心を揺さぶるということなのです。
池ノ辺 観客がいるということが大切なんですね。
ラージャマウリ 観てくださるお客さまなしの人生はないということです。
インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
写真 / 岡本英理
監督
1973年10月10日、カルナータカ州ライチュール生まれ。父親はテルグ映画界のベテラン脚本家で監督作もあるV.ヴィジャエーンドラ・プラサード。CMの製作、ETV のテレビ・ドラマ演出を経て、01年にNTRJr.主演の“STUDENT NO.1”で監督デビュー。09年の『マガディーラ 勇者転生』はラーム・チャランを主演にVFXやスペクタクル・シーンもふんだんに盛り込み、テルグ語映画史に残るブロックバスターとなって大巨匠ラージャマウリの名を全インドに轟かせた。その後手掛けた2作『あなたがいてこそ』(10)、『マッキー』(12)も大ヒットを記録。そして、2部作『バーフバリ 伝説誕生』(15)、『バーフバリ 王の凱旋』(17)は、合計で世界興収3万7000万ドル(約418億円)をあげ、まさにインド映画史上最大の映画となり、『~伝説誕生』でナショナル・フィルム・アワード最優秀映画賞、フィルムフェア賞最優秀テルグ語映画監督賞、インド国際映画賞最優秀監督賞、南インド国際映画賞最優秀監督賞、CineMAA 最優秀監督賞など数多くの賞に輝き、『~王の凱旋』もサターン賞の最優秀外国語映画賞、ナショナル・フィルム・アワード最高人気映画賞、最優秀アクション監督賞、最優秀特殊効果賞などを受賞した。
舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。彼らが選ぶのは、友情か?使命か?
監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
原案:V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
出演:NTR Jr. 、ラーム・チャラン
配給:ツイン
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公式サイト rrr-movie.jp