Aug 05, 2022 interview

コリン・トレボロウ監督が語る シリーズを通して伝えるべきことを考え作り上げた『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』

A A
SHARE

1993年に幕を開け、命を吹きこまれた恐竜たちのリアルな映像で、世界中に大興奮を巻き起こした『ジュラシック・パーク』シリーズ(1993〜2001)。2015年には、『ジュラシック・ワールド』としてさらにスケールアップし、続く2018年の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』まで、全世界シリーズ累計8000億円突破という驚異的な記録を打ち立てた。

ついに迎えた最終章、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、シリーズの生みの親・巨匠スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、監督には『ジュラシック・ワールド』の名匠コリン・トレボロウが復帰する。

主演は前作に続き、クリス・プラットとブライス・ダラス・ハワード。そして、『ジュラシック・パーク』シリーズからの3人の博士、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニールのレジェンドたちがカムバック、過去作へのオマージュ溢れるシーンで魅了する。

予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表の池ノ辺直子が映画大好きな業界の人たちと語り合う『映画は愛よ!』、今回は、本作品の日本公開に合わせて来日したコリン・トレボロウ監督に、コロナ禍でのレジェンドたちとの撮影など本作品のエピソードや映画への想いなどをうかがいました。

社会の変革に挑むヒーローたちを描きたい

池ノ辺 映画拝見しました、とても面白かったです。みんな最後まで突っ走っていましたね。女性たちもカッコよかったし、最後までハラハラドキドキで、ジェットコースターに乗ったような体験でした。監督は、映画を撮る上で一番大事にしていることはなんですか。

トレボロウ この映画について? それとも映画全般についてでしょうか。

池ノ辺 それはぜひ両方聞きたいです。

トレボロウ これまでいくつかの映画を撮ってきて振り返ってみると、自分のパターンがあることに気づいたんです。それはどういうパターンかというと、世界に不正があると感じて、そういった社会を変革していくような戦いに挑む存在を、登場人物とするような傾向があるんです。

こうした自分のヒーロー像がどこからきたかというと、両親の影響が大いにあると思っています。特に父は、助けを必要としている人々のために、なんとかしよう、社会を変えていこうという活動に積極的に関わる人でした。それが、そうした英雄を映画の中で描きたいということにつながってきているのだと思います。

池ノ辺 今回の映画でもそういう想いで撮られたんですか?

トレボロウ 考えてどうこうというより、自然とそうなってますね。この作品は、もちろんエキサイティングで、サスペンスも感動もあるエンタテインメント映画ですが、同時に僕は、伝えるべきことはきちんと伝えたいと考えていたんです。というのも、もともとの原作者である作家マイケル・クライトンは、地球上での我々の立場、人間と自然のつながり、そして科学の持つ危険性について警鐘を鳴らすような小説を書いていましたから、僕は、そのことを見失わないようにしたかったんです。