May 18, 2020 interview

池ノ辺直子と伊藤さとりが見た、映画と映画界の今 (4) / 新作映画『フェアウェル』『ルース・エドガー』『ランボー ラスト・ブラッド』

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血のつながらない家族の絆

池ノ辺 家族や親と子の映画って最近は多いの?

伊藤 そう、池ノ辺さんにもう1本オススメしたいのが、『ルース・エドガー』(近日公開)。すごく面白かったですよ。

池ノ辺 私は見てないんですけど、どういう作品ですか?

伊藤 優等生の黒人の男の子が出てくるんですよ。彼がルース・エドガー。彼のお父さんとお母さんはナオミ・ワッツとティム・ロス。あれ?って思いますよね。その男の子とは肌の色が違うわけですよ。

池ノ辺 つまり、この夫婦が養子縁組をして、その子を育てたってことですよね?

伊藤 そう。しかも、戦火の中ですごく悲惨な経験をしていた男の子を引き取って育てたんです。ルースは高校に入ってもエリートっていうか、誰もが「いい人だよね」って言う男の子。ただ、この子が実はすごく悪いことをしてるんじゃないかとか、この子は実はちょっと恐ろしい考えを持ってるんじゃないかっていうのが少しずつ見えてくるんですよ。例えば、女性教師が論文を読んでみると、すごく挑発的な文章を書いてきたり。それから噂が高校で流れるんですよ。1人の女の子に対して、男の子たちのグループがちょっととんでもない事をしてる。その裏には、実はルース・エドガーがいるんではないか?親は果たして自分の息子を信じきれるのか?でも血がつながってないから、なおさら信じなければいけないっていうフィルターがかかってるんですよ。これが面白いの。

池ノ辺 そうなのね。これはぜひとも見なきゃいけないね。

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『ルース・エドガー』公式サイト:http://luce-edgar.com/

伊藤 これは本当に必見ですよ。それから『ランボー ラスト・ブラッド』(6月26日公開)も。

池ノ辺 これは最終話?

伊藤 そうです。前作の『ランボー/最後の戦場』(2008年)は、スタローンがメガホンを取っていて、今回も監督するのかなと思ったら、やらなかったんですよね。信頼できる監督にまた一つチャレンジの場を与えたのかも。今回は1作目の『ランボー』(1982年)へのオマージュがあって、本当に原点回帰な部分が映画のお楽しみのところで出てくるんです。基本的にランボーって戦火の中にいるイメージじゃないですか?

池ノ辺 そうそう、戦場にいつもいる(笑)。

伊藤 それが今回は普通の生活を送ってるんですよ。

池ノ辺 日常生活を送ってるの?(笑)

伊藤 なんだ、これランボーじゃないじゃんって思ったりして。

池ノ辺 引退したの?

伊藤 引退した感じなんですよ。しかも親友の女性と、その女性の孫の女の子と家族みたいに暮らしてる。だから、なんか義理の孫とおじいちゃんみたいな感じなんです。その女の子のいなくなってしまった父親がメキシコにいるとわかるんですよ。彼女はランボーの反対を振り切って行っちゃうんですよ。メキシコといえば人身売買だったり、麻薬とかがあるわけですよ。そしてランボーの怒りがこうムクムクムクと奮い立たされ、爆発!

池ノ辺 それが面白いんでしょう?

伊藤 めちゃくちゃ面白かった(笑)。ジャングルじゃなくて、どうやって戦いのシーンをやるのかなと思ったら、自分の家の地下にそういう戦いの場を作っちゃうんですよ。ランボーは特殊工作員だから、いろんなことが出来るわけですよ。

池ノ辺 なるほどね。

伊藤 そしてランボーのアイテムの一つ、弓でシュポーンってやるシーンなど、シリーズを見ているファンは悶絶!

池ノ辺 これは6月26日公開です。

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『ランボー ラスト・ブラッド』公式サイト:https://gaga.ne.jp/rambo/

伊藤 『ランボー』シリーズを見ている人はより感情が溢れますね。1作目を見ていれば 、特に楽しめると思います。

池ノ辺 じゃあ、今のうちに『ランボー』見ておいて、それから新作を見てもらったらいいわね。

伊藤 ストレス発散にいいです!『ランボー』は(笑)。