Feb 08, 2020 interview

映画パーソナリティー 伊藤さとりが語る、つきたい仕事につくためには?

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第92回アカデミー賞直前予想

――ところで、2月9日(現地時間)は第92回アカデミー賞授賞式ですね。伊藤さんの予想を教えて下さい。

イエーイ!(笑)。じゃあ作品賞から行きますね。私の予想は『パラサイト 半地下の家族』。去年はNetflixの『ROMA/ローマ』が作品賞にノミネートされて、外国語映画賞を受賞したじゃないですか。今年からは外国語映画賞は「国際長編映画賞」に名前が変わって、『パラサイト』もノミネートされているんですが、作品賞も監督賞も脚本賞もノミネートされてるわけでしょう? これ韓国映画ですよ。それがここまでアメリカでも評価が高いわけですよね。

――つまり、アカデミー賞の流れが変わってきているわけね?

アカデミー賞って社会的メッセージを重視して作品賞を与えるじゃないですか。それで考えると、『パラサイト』って全世界的に問題になっている格差社会を見事なまでにエンターテインメントとして描いてるわけですよ。脚本も素晴らしすぎて、この先、ポン・ジュノは何を作るの?って思っちゃったりもしますけど、そう考えると全世界に向けた社会問題を提示しているという部分で『パラサイト』でしょ!

――お~、そうきましたか!他のノミネート作はどうでした?

『フォードvsフェラーリ』は、車映画として最強だってみんな言うんですけど、私はこの映画を、ディズニーvs20世紀フォックスの関係になぞらえて、ひとりで感動して泣いてました。エンジン音すごいとか、映像すごいと思いながら、人間ドラマにも震えてました。

――『ジョジョ・ラビット』はどうでした?予告編、私がやったのよ!

本当にスカーレット・ヨハンソンすごーいと思いました。音楽、フアッションのセンスも素晴らしいじゃないですか。だから、タイカ・ワイティティがなぜ監督賞にノミネートされてないんだろうと思いました。あれは監督のセンスがすごく光ってる映画だと思うので。

――『1917 命をかけた伝令』が有力候補って言われていますね。

カメラワークが素晴らしかったので、撮影賞は絶対に取るだろうなと思ってるんですけど、メッセージ性っていうのを考えると……。ただ映像は圧倒されます。それに重厚感からしても、作品賞を取ってもおかしくない。無名の俳優2人が必死に逃げながら戦場で人を探していくわけじゃないですか。『プライベート・ライアン』よりも、もっと人が少なくて、それでも見せちゃう。こういうキャスティングで、こういう映像をよく撮ろうと考えたなと思っちゃいますね。

――監督賞は誰になると思いますか?

ポン・ジュノであってほしいんですけど、クエンティン・タランティーノかな?って思います。私、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観たときに、やっぱりタランティーノにしか撮れない映画だと思ったんです。こんなにもエンターテインメントなのに、こんなにも社会的。ロマン・ポランスキーへの忠告をちょっと入れたりして、そういうウィットのセンスもずば抜けてますよね。それに、シャロン・テート事件を知っているからこそ感動してしまって。映画ってこうやって現実を変える力があるっていうことを描いていて、タランティーノは映画の力を信じたいんだなって思いました。それで監督賞を取るんじゃないかと思います。

――主演賞はどうですか?

主演男優賞は『ジョーカー』のホアキン・フェニックスだと思うんですけど、私は『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバーがいいです(笑)。主演女優賞は『ジュディ 虹の彼方に』のレネー・ゼルウィガーですね。やっぱり『ジュディ』がすごかったんですよ! 特殊メイクもすごいけれども、全身全霊がジュディー・ガーランドだったんですよ。私、彼女がこんなに演技できちゃうの?って思いました。

―― 『ジュディ』は、泣きっぱなしだったわ。では、伊藤さんの予想がどれぐらい当たるか楽しみにしています。

インタビュー/池ノ辺直子
構成・文/吉田伊知郎
撮影/江藤海彦

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プロフィール
伊藤さとり(いとうさとり)

映画パーソナリティ

年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当。全国のTSUTAYA店内で流れるwave−C3「シネマmag」DJであり、自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。また映画界、スターに詳しいこと、映画を心理的に定評があり、NTV「ZIP!」映画紹介枠、CX「めざまし土曜日」映画紹介枠 に解説で呼ばれることも多々。TOKYO-FM、JFN、TBSラジオの映画コーナー、映画番組特番DJ。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。心理カウンセリングも学んだことから「ぴあ」などで恋愛心理分析や映画心理テストも作成。著書「2分で距離を知事メル魔法の話術」(ワニブックス)。

伊藤さとり公式HP:https://itosatori.net

作品情報
『パラサイト 半地下の家族』

公開中
監督・脚本:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
配給:ビターズ・エンド
Ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
公式 HP:http://www.parasite-mv.jp/

『ジョジョ・ラビット』

公開中
監督・脚本:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイビス、タイカ・ワイティティ、スカーレット・ヨハンソン、トーマシン・マッケンジー、サム・ロックウェル、レベル・ウィルソン ほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
Ⓒ 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finan
公式 HP:http://www.foxmovies-jp.com/jojorabbit/

『ジュディ 虹の彼方に』

2020年3月6日(金)公開
監督:ルパート・グールド
出演:レネー・ゼルウィガー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル
配給:ギャガ
Ⓒ Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019
公式 HP:https://gaga.ne.jp/judy/

池ノ辺直子

映像ディレクター。株式会社バカ・ザ・バッカ代表取締役社長
これまでに手がけた予告篇は、「ボディーガード」「フォレスト・ガンプ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ」「マディソン郡の橋」「トップガン」「羊たちの沈黙」「博士と彼女のセオリー」「ドリーム」「シェイプ・オブ・ウォーター」「スリー・ビルボード」 ほか1100本以上。 最新作は「ジョジョ・ラビット」「ジュディ 虹の彼方に」。
著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 WOWOWプラス審議委員、 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」も運営もしている。
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