Mar 10, 2023 interview

馬場ふみかインタビュー 分からないを楽しんだ『ひとりぼっちじゃない』

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伊藤ちひろ監督の演出

―― 作品の世界観を作っているひとつが、宮子の自宅だと思います。幻想的で不思議な部屋でしたね。

部屋のこだわりはなかなか稀に見る感じじゃないですかね。昼と夜で独創的なライティングが変わっていましたし、あの紫っぽいピンクっぽい絶妙な光は、伊藤ちひろ監督が、すごくこだわっていらっしゃったイメージがあります。

―― 草木がいっぱいのお部屋でした。

初めて入ったとき「これはジャングルか‥‥」と思いました。ちょっと想像してなかったんでビックリしましたけど。

―― 馬場さんのお部屋には植物は置いてあるんですか?

わたしの部屋には全然ないです。緑があるって素晴らしいなって思うんですよ。だけど、毎日手入れしないといけないと思うと、私にはちょっとできないかもしれない‥‥。

それに宮子の部屋って、とんでもない量の植物が生い茂っているんですよ。だから、あの部屋、窓閉まらないんです、ベランダ、閉められないんです。

―― 鉢植えが置いてあるだけじゃないんですか?

室内と外の植物が全部繋がってるんです。天井からも吊るされているし、下にもあるし、鉢植えも何十個も置いてあるし。ツルみたいなのが巻き付いていたり、とにかくワサーっと生い茂っているので、いつも開けっぱなしなんですよ。

―― 窓を閉められないのは大変ですね。

大変ですよ。常に虫に刺されますから。でも監督に「蚊に刺されたまんまでやってください。隠さないでください、宮子っぽいから」って言われました(笑)。

―― 劇中で、なにか部屋の植物を食べていましたね。ブルーベリーの実みたいな‥‥

ブルーベリーじゃないです。ジャボチカバっていう果物です。実際に食べたんですけど、ベリーっていうか、ちょっと酸っぱい感じの味がしました。見たことも、聞いたこともなかったから、何じゃこりゃ ! って思いましたけど、普通に美味しかったですよ。

―― ジャボチカバを食べるということに、どういう意味があったんですか?

監督の中にはあったんでしょうけど、私には分からないです(笑)。