星野源とは“芝居で会話ができていた”
──春之介を演じた星野源さんとご一緒してみていかがでしたか?
なんの気負いもなく演じてらっしゃったのが印象的でした。というのも、時代劇の現場は慣れ親しんでいないと構えたり(雰囲気に)飲まれてしまったりすることが多々あるんです。けれど、源ちゃんはそういうことが一切ないように感じました。もちろん、これまでに時代劇の経験があることは知っていたのですが、それでもまったく気負わずそのままそこにいてくださったのは大きかったです。
──星野さんとは現場でどのようにコミュニケーションを取っていましたか?
源ちゃんとは現場でお芝居の話は一切しなかったと思います。お互いに芝居で会話ができていたので、撮影は非常にスムーズでした。
──その日に撮るシーンについて相談や打ち合わせをするというよりは、とりあえず芝居でぶつけ合うやり方でお互いに挑んでいたということでしょうか?
はい。「こういうお芝居をやろうと思うんだけどどう思います?」というような具体的な相談は一切なかったです。段取り、テスト、本番とお芝居をして、休憩に入ったら楽しく雑談をして、カメラが回ったらまたお芝居をして…という自然な流れが心地良かったです。
──他に印象に残っている共演者の方はいますか?
濱田岳という人が勘定頭の中西監物役を演じているんですけれど、この男がもう…とにかく悪くてですね、当時を思い返すだけでちょっと眠れなくなってしまうぐらいで…(笑)。
──濱田さんとは近年ですとNHK連続テレビ小説『わろてんか』(17~18年)で共演なさっていますよね。いったい何があったんですか(笑)?
いやもう僕は彼にいじめられていじめられて(笑)。だいぶ年下なんですけれど、「お前の芝居はそんなんでいいのか!」と彼が言ってくるんです(笑)。本気なのか冗談なのかよくわからないんですけれど、いままでに何度もご一緒しているので、僕には言いやすいのではないでしょうか(笑)。