山田くんにオススメの芸人さんを教えてもらったりしました(ディーン)
──山田さんとディーンさんの間に深い信頼関係が撮影現場で生まれたのですね。現場での過ごし方としては、エドとマスタングとして向き合う瞬間があったりもしましたか?
山田 僕は役を引きずるということは、絶対にしないようにしているんです。カメラの止まっているときでも役でいようと思ったら、スタッフさんとはもちろん、敵対している役の方とは一切コミュニケーションが取れなくなってしまう。それってエンターテインメントではないな、と思ってしまうんですよ。エドとして立ってますけど、山田涼介という1人の人間なので、ホムンクルス側の人たちと仲良くするなと言われても、僕は無理かもしれないです。
ディーン そういえば、山田くんがホムンクルスの方々とゲームの話をしてるのを目撃したことがあります(笑)。
山田 してましたね〜(笑)。スイッチが入ればスッと切り替えのできるタイプなので、お芝居と関係のない話を皆さんといっぱいしました。
ディーン 僕はお笑い芸人さんを紹介してもらったりしましたよ。
山田 そうそう、ディーンさんがお笑いが好きだと言うので、一緒に動画を見たりとか。
──ちなみにどなたを紹介されたのですか?
ディーン メイプル超合金さんだったよね?
山田 ありましたね、そういう瞬間が。待ち時間に色々なお話をしてコミュニケーションを取らせていただいていました。
──撮影はイタリアと日本で行われましたが、山田さんはイタリアと日本で、ディーンさんは日本のみだったそうですね。現場での印象的なエピソードを伺えますか?
山田 僕はありがたいことにクランクイン初日をイタリアで迎えることが出来たんですよ。エドのコスチュームで、金髪姿で、いきなり日本での撮影となると、気持ちの作り方が難しいかなと思っていたのですが、最初にイタリアへ行けたことが僕の中ではすごく大きくて。あの風景、空気、世界観に触れたことでスッと作品に入り込むことが出来ました。列車のシーンでは、今はもう使っていない汽車を特別に走らせてもらって、実際に汽車の中で撮影したんです。10数時間、あまり設備の整っていない木の座席に座りっぱなしでの撮影で、なかなか痺れる体験ではありました。
ディーン エドって大変そうなシーンがたくさんあったのに、印象深いのはそこなんだね(笑)。
山田 だって、本当にクッションも何もない木の椅子なんですよ。ゴハンもリンゴとパンのみ、みたいな感じで。ただの贅沢病なんですけど、慣れていない分、戸惑うことも多くて。でも、イタリアのクルーと日本のクルーで手を取り合って、残りあと何シーンだよって励まし合いながら乗り切れたことで絆が生まれた気がしています。向こうって夜の10時くらいまで明るいので、いつまででも撮影が出来てしまうので、ありがたい環境なんですけど良くも悪くもハードでした。ただ、日本での撮影の方がエドにとって重要なシーンが多かったので、最初にイタリアで空気感を掴んだ上で挑めたのは、とてもプラスになりました。
──日本でも、かなり大掛かりなセットを用意しての撮影だったそうですね。
ディーン なかなか見ない大規模なセットだったので、これから始まる撮影がどういうものになるのかワクワクしました。僕はグルテンアレルギーでパンが食べられないから、もしイタリアロケに参加していたらリンゴのみで過ごさないといけなかったと思うから、そういう運命だったのかな(笑)。
──CGもかなりダイナミックでしたね。
山田 はい、すごかったですよね。
ディーン 以前、中華圏でCGを多用するアクション作品に出演したことがあったのですが、日本との違いに新たな発見があったり、刺激を受けることも多かったです。なんとなくイメージトレーニングは出来ているつもりだったのですが、とにかく曽利監督の演出に迷いがないので現場で戸惑うようなことは一切ありませんでした。ここでこういう風にやってください、と飛ばしてくださる指示がドンピシャなのでこっちも自信を持って演じられるし、曽利監督の手によってどんな素晴らしい作品に仕上がるんだろうと完成が楽しみでした。