- 安彦:
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その4人は動かせないというのが大前提でした。そういう頭でいたもんだから、パーティでお会いした時に「またお願いします」って言っちゃったんだよね。当時はまだ何も発表してなかったので、かなりのフライングだったと思います。後で内輪で怒られました(笑)。
- 古川:
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まだ、OVAシリーズが動き出すだいぶ前でしたからね。7、8年前でしたっけ?
- 安彦:
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だから、本当にお待たせしましたという、ちょっと申し訳ない気持ちがあるんですよ。でも、待ちに待った第一声がアムロとの会話ってのは良かったよね。
- 古川:
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いやぁ、緊張しましたよ。カイ自体は『機動戦士ガンダムUC』(2010年〜)などでも演じていますが、今回のカイは、今まで演じてきたどのカイよりも若い、高校生時代のカイですからね。そんなのやったことがない。
- 安彦:
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セリフが少なかったことだけが悔やまれますよ。もっと増やしておけば良かった(笑)。
- 古川:
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うわ、そんな夢のようなお言葉をいただけるなんて。今日はちょっと“俺得”だなぁ。
僕にとってカイ・シデンというキャラクターは、とりわけ思い入れの強い存在。脇役だからすぐにドンと撃たれて死んじゃうんだろうなと思っていたら、「まだ続きます」「まだ続きます」って。そうこうしているうちに、ミハル・ラトキエが出てきて、ね。あのあたりからファンレターもいただけるようになって。他の現場でも「古川さん、カイ・シデンやってらっしゃいますよね!」って声をかけられるようになっていくんです。
『機動戦士ガンダム』が終わったあとも、『機動戦士Zガンダム』(1985年)や『機動戦士ガンダムUC』に出たり、スピンオフ漫画の主人公になったり、ずっとカイは生き続けているんですよね。キャラクターとしては脇役ですけれども、僕にとっては代表作のようなキャラクターなんです。だから、その声を今回もやらせてもらえるってのは本当にうれしかったんですよ。
構成・文 /山下達也 撮影 /江藤海彦
http://www.gundam-the-origin.net/
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』
安彦良和 (著), 矢立肇 (原案), 富野由悠季 (原案), 大河原邦男 (メカニックデザイン)
KADOKAWA / 角川書店
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