若手実力派俳優が多く出演する映画『曇天に笑う』。300年に一度よみがえり、人間に災いをもたらすオロチ(大蛇)に立ち向かう主人公・曇天火(くもう・てんか)を演じた福士蒼汰と、かつて天火に助けられ、今は忠誠を誓う金城白子(きんじょう・しらす)を演じた桐山漣に話を聞いた。実は二人は、福士がデビュー1年目で主演を務めた「仮面ライダーフォーゼ」の劇場版『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX』で共演して以来6年ぶりの再会だったんだとか。当時の印象や変化した一面、とても空気感が良かったという今作の現場の雰囲気なども話してもらった。
“夫婦”のような関係性を演じた二人、お互いの印象と6年ぶりの共演で感じた変化
──『曇天に笑う』の原作コミックは読まれましたか?
福士&桐山 はい。
福士 原作と映画では多少異なるところがあるのですが、どちらも譲れない面白さやこだわりがあるんです。特に、原作ではオロチが悪者だから“倒し”に行くんですが、映画では倒すのではなく、“鎮め”るんです。そこはものすごく天火らしいなと思いました。持っている武器も鉄扇で、人を殺めることがないものなんです。そこは天火の人柄を表していると思いました。
桐山 僕が演じた白子は、原作では料理が下手なんですよ。でも映画では、家事も料理も完璧なんです。原作と映画での違いはそのあたりですね。
──映画の二人を観ていると、まるで夫婦のように感じました。そこは意識されていましたか?
福士 意識していました。お互いに、天火が父親であり、兄であり、白子が母親の代わりであるという認識はあったんです。なので、天火が服を脱いだ時に白子はごく自然に受け取ってくれたりと、ナチュラルな関係性が出来ていて。おかげですごくやりやすかったです。
──桐山さんは妻の意識を…。
桐山 妻ではないです(笑)。白子は最初、天火に命を助けてもらっているんですよ。だからこそ、僕が出来ることは何でもやろうと思っているんです。同じ家に住まわせてもらっているから感謝もしているし、忠実に一家の主に仕えようとしているんです。
福士 タオルをスッと出してくれるシーンがあるくらい。
桐山 うん(笑)。そうやって家事をしたりして、曇一家に忠実な様子が、結果としてより“母親”のように見えていたのかもしれないですね。
──お二人は「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX」で共演してから6年ぶりの再会ということですが、お互い刺激を受けたところを教えて下さい。
福士 たくさんあります!まず、漣くんはオシャレ!服装はもちろんですが、車にこだわっていたりと、とにかくオシャレなんです。これからもトレンドは漣くんから仕入れたいなと思っています(笑)。…いいですか?
桐山 あはは。いいよ(笑)。
福士 漣くんは、出会った当初から変わらず、ずっと優しいんです。それに、どんな意見も最初に肯定してから答えてくれる。
桐山 無意識なんだけどなぁ。ちなみに蒼汰は、こういった対談インタビューで、自分の番じゃない時にインタビュアーさんのレコーダーの向きを揃えたり、身の回りの小さなことを気にするよね(笑)。
福士 あはは!ある、ある(笑)。
桐山 そういうところを観察するのも面白いし、あとはとにかくクシャッとした可愛い顔で笑ってるイメージだな。初めて会った時は、まだ芸歴としては1年目だったよね?
福士 そう!
桐山 それ以来6年ぶりに会ったんですが、あの時にはなかった、主演としてこの作品をしっかりまとめて引っ張っていこうという背中を見せてくれたんです。当時は初々しかったけど、今はすごく眩しく輝いて見えましたし、どっしりと構えている“座長感”がありました。だからこそ、(中山)優馬(次男・空丸役)や(若山)耀人(三男・宙太郎役)、犲(やまいぬ)の皆もついていこうと思えたんです。