May 21, 2024 news

【独占】メイキング写真も公開! 原作者・吉田修一が日本一大きい湖“琵琶湖”をロケーションに選んだ理由とは  映画『湖の女たち』

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吉田修一による“現代の黙示録”とも言うべき同名小説を『日日是好日』『星の子』『MOTHER マザー』の大森立嗣が監督・脚本を務め実写化した、映画『湖の女たち』。この度、本作の舞台となった美しい琵琶湖での撮影の様子を映したメイキング写真が公開された。

本作の舞台は日本一大きい湖、琵琶湖。とある介護施設での不審死事件を発端に、隠された真実が次々と炙り出されていく一方で、刑事と容疑者という関係でありながら歪んだ関係に溺れていく刑事・濱中圭介(福士蒼汰)と介護士・豊田佳代(松本まりか)。人間の内なる闇や欲を描いているのと対照的に、そんな彼らの姿をただ静観しているのが、本作のもうひとつの主役といえる“琵琶湖”である。

新たに公開されたメイキング写真では、早朝の撮影中に山のふもとから昇ってきた朝日に照らされ光を反射する湖面や、スーツに身を包んだ福士と手錠をかけられた松本が見つめ合う中、静かに波を揺らす湖が映し出されている。


琵琶湖へ取材に行き、インスピレーションを受けたという原作者の吉田修一は「取材で琵琶湖の北のほうを回ったときに、本当によそ者を拒んでいるような不思議な雰囲気がありました。静かにこちらをじっと見つめてきて。でも、はっきり拒まれている感じがします。海はどこかにつながっていると思えるのですが、湖は閉じているんです。京都の隣という地理的な条件や歴史もあるし、物語が生まれるポテンシャルが高いと思いました。」と琵琶湖の存在感が本作に強く影響していることを語る。

大森立嗣監督は「キャストもスタッフも琵琶湖に泊まり込みで撮影をしたのですが、特に北側の方は独特でした。湖の他には何もないような。小説と同じように、佳代の自宅の撮影で「川端」を生活用水にしている民家をお借りできたのも、とても有意義でしたね。」と、撮影時の印象を振り返り、琵琶湖地域の独自性について明かす。

先日行われた本作の完成報告会において、佳代役の松本は難役を演じるにあたり、置かれている環境、状況、体感を体現したといい、「琵琶湖の近くの介護施設で介護をし続けてきた人であり、まわりに圭介のような刺激的な人がいたわけでもないですし、そういうある種の孤独感というか、静かな生活に自分の身を置くというそういう極限状態に陥った身体感覚みたいなものを自分に近づけることはできるのかなと思ってそういう状態でいました。」と、この地域での環境や暮らし、そこから生まれる感覚を頼りに役に挑んだことを語った。

映画『湖の女たち』は、公開中。

作品情報
映画『湖の女たち』

事件の捜査にあたった西湖署の若手刑事・圭介とベテランの伊佐美は、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行っていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った介護士・佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。一方、事件を追う週刊誌記者・池田は、この殺人事件と署が隠蔽してきたある薬害事件に関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実‥‥。それは、我々の想像を超えた過去の闇を引き摺り出すー。そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の男と容疑者の女の行方とは。

監督・脚本:大森立嗣

原作:吉田修一『湖の女たち』(新潮文庫刊)

主演:福士蒼汰、松本まりか、福地桃子、近藤芳正、平田満、根岸季衣、菅原大吉、土屋希乃、北香那、大後寿々花、川面千晶、呉城久美、穂志もえか、奥野瑛太、吉岡睦雄、信太昌之、鈴木晋介、長尾卓磨、伊藤佳範、岡本智礼、泉拓磨、荒巻全紀、財前直見、三田佳子、浅野忠信

共同配給:東京テアトル、ヨアケ

©️2023 映画「湖の女たち」製作委員会

公開中

公式サイト thewomeninthelakes